2006 Fiscal Year Annual Research Report
在宅高齢者ホスピスケアのクリニカルパスとケアマネジメント方法の有用性評価と実用化
Project/Area Number |
17406031
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
島内 節 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (70124401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 皓子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00261678)
田中 博 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60155158)
中谷 久恵 島根大学, 医学部, 教授 (90280130)
内田 陽子 群馬大学, 医学部, 助教授 (30375539)
村上 満子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (50403663)
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Keywords | 在宅ケア / ホスピスケア / 高齢者 / クリニカルパス / ケアマネジメント |
Research Abstract |
1 在宅高齢者の終末期の比較的症状の強い高齢癌患者(タイプA)と非癌患者(タイプB)について訪問看護ステーションでケアを受けた利用者の家族と看護師による調査で両者ペアで回収できたのはタイプA93例,タイプB94例であった。両タイプについて時間経過別にみた利用者家族と看護職で共有可能なケアプログラムとしてのクリニカルパス項目の精選を行った。タイプAに高いニーズは疼痛と症状、タイプBでは基本的ニーズであった。在宅ホスピスケアにおけるケア期間を開始期、小康期、臨死期、死別後の4期に区分し、ケアを必要とするニーズはタイプAは9領域、タイプBは8領域、となり、その細項目を明らかにした。利用者家族の評価によるアウトカム達成率と看護師のそれからケアの実施内容と方法の妥当性を確認できた。利用者家族と看護職が同一項目を用いて両者の一致度の差の出やすい項目と理由を確認し有用性を検証した。 2 本研究成果は、在宅ホスピスケアにおける利用者家族と専門職が、利用者の予測される経過に基づくケアの手順を共有でき、これは利用者家族にとっては今後起こりうる利用者の変化とケア手順およびアウトカム(到達目標)を予測することが可能となる。すなわち双方が納得して具体的なアウトカムをめざした行動目標に向けて、協力しあう関係を生み出し効果を得やすいことが明らかになった。 3 利用者家族によるケアマネジメントやケアの満足度についても評価した。その結果、(1)利用者によるケアマネジメント業務の評価は平均で80%実施されたと回答しており、タイプAがタイプBより高かった。 (2)ケアの満足度は約95%と高かったがタイプAがタイプBよりも高い評価であった。 (3)従来の専門職優位のケアプログラムから利用者家族と専門職の共通目標による共同ケアを可能するクリティカルパスとなった。 4 19年度は、韓国・フインランド・カナダでも事例調査(各国タイプA100例以上)を行う予定である。これに加えて各期に必要な具体的なケアマネジメント方法をさらに明らかにする必要がある。また実用化を検討し、普及を図る方法を実践的に検証する。これらによって専門職のケアの力量を高め、ケアの質を保証することと利用者家族の満足度をさらに高める必要がある。
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