2005 Fiscal Year Annual Research Report
Clifford代数を用いた画像処理・復元に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17500001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮腰 政明 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20125355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 万由香 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30214620)
田中 章 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (20332471)
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Keywords | Clifford代数 / 四元数 / 離散信号処理 / 多次元信号 / 固有空間 / 固有値 |
Research Abstract |
離散的信号処理はユニタリー行列に関わる行列理論の一つである。本研究の目的は、従来の各種信号処理手法が依拠する行列理論が用いる係数体を複素数体やClifford代数体(四元数体等)を含めた信号処理手法の構築の可能性の基礎的検討である。今年度は、既存の信号解析の主要な方法の(複素)フーリエ解析を対象にして検討を行った。フーリエ解析は、四元数やClifford代数体(高次複素数体)への拡張があるが、虚数単位を四元数単位ベクトルに置き換える形式的拡張である。フーリエ変換の本質は、信号の時間(周波数)軸に関する(偶奇)対称性であり、これには、変換行列の四つの固有値(±1,±i)に対する固有空間(正射影行列)が関わることが知られている。本研究では、固有値の符号±は、信号の時間軸と周波数軸の対称(偶奇)成分の統合と分離に関連すること、四つの固有空間に対応した正射影行列は全て実数行列となることを証明した。四元数は四つの実数の成分をもち、四つの正射影実数行列は、フーリエ変換の別の拡張への可能性を示唆する。また、これらの事実は、離散的信号処理の一般のユニタリー行列で、その最小多項式がx^M-1(Mが偶数)の形であれば、理論的に成立することを証明した。特に、ユニタリー行列が対称ならば、相異なる固有値に対応した正射影行列は全て実数行列となることも証明した。高次複素数体(Clifford代数体)の元が、実数を成分としたベクトルであるから、実数からなる正射影行列の存在は、多次元信号変換行列の拡張への可能性を示唆する。国内外の関連する研究に関する情報収集しつつ理論構築を行っているが、現在までこれらの知見に関する研究成果は国内外で公表されていない。また、本研究によって得られた理論的な成果を補助金で導入したコンピュータに実装して、検証を行っており、これらの結果を国内外の主要な学会に公表すべく準備を行っているところである。
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