2006 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive Grobner Bases に関する研究
Project/Area Number |
17500013
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐藤 洋祐 東京理科大学, 理学部第一部, 教授 (50257820)
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Keywords | アルゴリズム / 代数学 / 数式処理 |
Research Abstract |
Comprehensive Groebner Basesとはパラメーターを含む多項式環におけるグレブナー基底のことである。 その存在とアルゴリズムがWeispfenningによって1992年に発表されてから、すでに15年がたっているが、実際に使えるプログラムは皆無であった。 本研究では、われわれの理論を発展させ、それに基づく実用に耐えうるComprehensive Grobner Basesの計算アルゴリズムを構築した。具体的には、Von Neumann regular環上の多項式環におけるグレブナー基底とComprehensive Grobner Basesの間に成り立つ関係とグレブナー基底の安定性に関する性質をさらに詳しく研究し、その結果に基づいて効率的アルゴリズムを開発し、計算機実験を行って有効性を実証した。 この結果は2006年に開催された計算機代数の最も重要な国際会議であるISSAC2006で発表された。われわれの理論に基づくアルゴリズムは通常のグレブナー基底の計算のみで構成されており、従来のものよりもはるかに単純な構造なので、MathematicaやMaple等のように世の中で広く利用されている数式処理システムやSingularのようなメジャーな可換代数システムへの実装も容易に実現できた。 2007年7月に開催されるISSACでは、われわれのアルゴリズムを改良した研究が2件発表されることになっており、われわれの結果の重要性を示している。
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Research Products
(2 results)