2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 周行 東京大学, 情報基盤センター, 助教授 (20225999)
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Keywords | 最適化コンパイラ / 検証 / 型システム / Itanium2 / メモリモデル / XSLT |
Research Abstract |
本研究の目的として、データフロー解析を包含する型理論の構築と、性能モデルに基づいた最適化適用の真の最適性の検証がある。本年度は、それぞれについて以下の結果をあげた。さらに、厳密ではないものの、近似的にコスト計算を行うことで、文書処理プロセッサとして標準的であるXSLTの最適化について、最大12%の性能向上をあげるXSLTプロセッサ(コンパイラ)の構築に成功した。 [データフロー解析を包含する型理論の構築] コンパイラ最適化を記述するという意味でのプログラム解析のための型体系の拡張を行った。基礎となる型体系はそれ単独でプログラムの振舞いを抽象することができ、多くの応用、展開が期待できるものになった。特に、限られた範囲内ではあるが、型の同等性チェック(静的解析)が、プログラムの動作の同等性(動的意味論)を保証する体系になっている。これから、非常に多くのクラスが属するコンパイラ最適化について、その前後におけるプログラムの動作の同等性の保証が、型チェックによって実現可能になった。 [性能モデルに基いた最適化適用の真の最適性の検証の枠組] CPUアーキテクチャに密着したコンパイラ最適化と、その精密な性能モデルの構築のために、本年度はItanium2を対象にとって、CPUの性能モデルの構築に着手した。結果として、Itanium2は、従来型よりも、ベクトル型プロセッサに挙動が似ていること、それにともない、メモリの性能モデルについて、より慎重な構築が求められることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)