2005 Fiscal Year Annual Research Report
共有メモリ型並列プログラミングモデルの高並列クラスタ計算環境への適用
Project/Area Number |
17500049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
新實 治男 京都産業大学, 工学部, 教授 (40144331)
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Keywords | 共有メモリ型並列プログラム / クラスタシステム / 分散メモリ型並列システム / OpenMP / MPI |
Research Abstract |
本年度は,本研究で検討する「並列プログラミングモデル」を実際に適用してその評価実験を行うためのプラットホームとして,基礎的なクラスタシステムの構築を行った。具体的には,省スペース性と高い計算処理性能とを兼備しつつ,同時に経済性にも優れた1Uサーバ機について,複数の機種を対象に比較調査を行った。その結果,最終的にSun Fire X2100×8台から成る構成を決定した。同機には,最新の64-bit CPUであるAMD Opteronが搭載されており,優れたソフトウェア開発環境実現の基礎となるLinux OSに適合している。また,1000Base-T Ethernetインタフェースも当初から2系統実装されており,さらに将来他の高速ネットワークインタフェースを実装するための拡張性も備えているなど,クラスタシステムのノードマシンとして好適であると判断した。 これと並行して,OpenMP型プログラミングモデルによる並列計算と,高並列クラスタ計算環境におけるMPI通信ライブラリを使用した並列プログラムの実行方式との比較対照研究を行った。前者は,共有メモリ型並列システムにおいて,プログラム記述の標準仕様として普及が進んでいるものである。一方の後者も,分散メモリ型並列システムであるクラスタ計算環境において,メッセージ通信ライブラリの標準仕様として,その地位を確立しているものである。本年度は,OpenMPの中の比較的単純なfor-ループ並列実行モデルについて,MPIライブラリを用いたSPMD(Single Program, Multiple Data-streams)型並列プログラムに変換するための基礎的な方式を検討した。その結果,クラスタ計算環境上に構築した仮想共有メモリシステム(ソフトウェアによる実装)を使用する場合に比較して,より高い並列処理効果を発揮させられることが確認できた。
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