2006 Fiscal Year Annual Research Report
共有メモリ型並列プログラミングモデルの高並列クラスタ計算環境への適用
Project/Area Number |
17500049
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
新實 治男 京都産業大学, 工学部, 教授 (40144331)
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Keywords | 共有メモリ型並列プログラム / クラスタシステム / 分散メモリ型並列システム / OpenMP / MPI |
Research Abstract |
本年度は,共有メモリ型プログラミングモデルから分散メモリ型並列実行モデルへのプログラム変換方式について,昨年度の基礎的検討をさらに発展させるため,まず,前者のモデルに基づく数種類のプログラムを実際に開発した。そして,既存のOepnMP処理系によって,それらの並列処理効果の確認を行った。具体的には,Sun Microsystems社のSolarisに対応したCコンパイラ(Forte Developer 7,C5.4),および,Intel社のC/C++ Compiler Ver.8.0を利用し,対象プログラムとしては,超多倍長算術演算ライブラリを含む数値計算プログラムや,各種ゲームの解探索プログラムなどを用いた。次年度は,さらにUPCなどの共有メモリモデルに基づくプログラミング言語との記述能力や実効性能などの比較を行う予定である。 また,高並列クラスタ計算環境における負荷の最適配置・動的管理方式の検討については,本研究で構築中のクラスタシステムを具体例として,各構成要素マシンおよび相互接続ネットワークの各性能特性の測定のための手法を検討中である。これまでの研究で,実行時の負荷量を時系列で管理し,その変動の速度や加速度などをパラメータとする動的負荷管理方式を提案しており,次年度は,それらの適用可能性について,さらに詳細な検討を行う予定である。 並列クラスタ環境の増強については,今年度はより大きな問題を扱えるよう,各要素マシンの主メモリ容量の拡張を行った。また,クラスタの動作状況についての種々の情報をより簡便に収集できるよう,クラスタ管理用のサーバーマシンを新たに設置した。その機種選定にあたっては,現クラスタの要素マシンとバイナリ互換性があり,かつ,性能的に優れたものを選択しており,ヘテロジニアスなクラスタの実験も行えるよう配慮を行った。
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