2005 Fiscal Year Annual Research Report
リアリティ追求を目的とした多重解像度システムに関する研究
Project/Area Number |
17500071
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
志堂寺 和則 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (50243853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 裕二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (00315128)
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Keywords | 感性情報学 / ユーザインタフェース / 認知科学 / ディスプレイ / 実験系心理学 |
Research Abstract |
来年度に構築するシステムの仕様を決定するため、本年度は、装置に必要な解像度を調べる視覚心理実験を行った。実験に用いる画像として、バーチャル空間に立方体を多数表示した画像(原画像:視角54度、解像度2048×1536pixel)と、中心部の解像度は原画像のままで周辺部の解像度が低くなるようにした画像(処理画像)を作成した。処理画像として、中心部領域の大きさが8通り(視角5、10、15、20、25、30、35、40度)、周辺部領域の解像度が5通り(320×240、640×480、1024×768、1280×960、1600×1200pixel)の計40種類を用意した。 実験の手続きは、以下の通りであった。まず、被験者に原画像を提示し、画像の中心を注視させた。次に、被験者のマウスクリックにより、原画像か処理画像のいずれかが1秒間提示され、その後、数字が0.1秒間提示された。これらの提示後、被験者は、提示された原画像と刺激画像との画質変化の有無、ならびに提示された数字を答えた。数字の読み取り課題は、被験者が画像の中心を注視しているかを確認するために行った。また、画像を2次元的に提示した場合と3次元的に提示した場合の比較も実施した。 実験の結果、注視点からのずれ(中心部領域の視角)が大きくなるについて、周辺部の解像度が低くても、原画像の画質と同様の印象を得られることがわかった。2次元提示、3次元提示のいずれの場合においても、注視点から20度以上ずれた周辺部において解像度が1024×768pixel(原画像の4分の1の解像度)でも原画像と同様の印象が得られた。また、注視点から10度以上ずれた周辺部の解像度が1600×1200pixelに低下した際、2次元提示では画質の印象が悪くなったが、3次元提示では原画像と同様の印象が得られることがわかった。
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