2006 Fiscal Year Annual Research Report
リアリティ追求を目的とした多重解像度システムに関する研究
Project/Area Number |
17500071
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
志堂寺 和則 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助教授 (50243853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 裕二 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助手 (00315128)
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Keywords | 感性情報学 / ユーザーインターフェース / 認知科学 / ディスプレイ / 実験系心理学 |
Research Abstract |
最初に、多重解像度立体画像システムに要求される解像度を調べる実験を行った。提示画像として、仮想空間に小球体を多数表示した立体画像(原画像:視角68度、解像度2048×1536pixel)と3種類の立体処理画像(三重解像度画像、二重解像度画像、低解像度画像)を用意した。三重解像度画像の解像度は、矩形(縦3:横4)の対角視角20度未満が原画像と同じで、20〜40度が1024×768pixel、40〜68度が640×480pixelであった。二重解像度画像は、視角20度未満が原画像と同じで視角20〜68度が640×480pixelの解像度であり、低解像度画像は画像全体が640×480pixelの解像度であった。実験では、最初に被験者に原画像を提示し、画像の中心を注視させた。次に、被験者のマウスクリックにより、原画像か処理画像かいずれかを1秒間提示した。被験者は継時提示された画像における画質変化の有無を回答した。被験者が画像中心を注視していることはビデオカメラで撮影した眼球の動きにより確認した。実験の結果、三重解像度画像は原画像とほぼ同様の印象を持つことがわかった。 実験結果に基づき、3つの撮影画角の異なるカメラ画像(撮影画角:21度、42度、68度)を、画像処理により撮影画角と対応するように重ね合わせて提示する、三重解像度立体画像システムを作成した。撮影装置には左右眼用にそれぞれ3台のカメラを用いた。画像の中心領域となる画像を得るカメラ(撮影画角21度と42度)は、重ね合わせた画像の境界部を完全に一致させるため、ハーフミラーを利用してカメラの光軸を一致させた。周辺領域の画像を得るカメラ(撮影画角68度)の光軸は一致させなかった。これは、ハーフミラーをさらに使うと画質が著しく低下すること、視野周辺部では境界部に多少のズレが生じても知覚されないことを考慮したためである。
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