Research Abstract |
研究代表者は,手元拡大型画面操作デバイスを新たに構築した.PCなどの情報アプライアンス側にモジュールとなるソフトウェアを実装し,ポインティングデバイス側は半球形の把持具型デバイスで構成させた.手の動きの動作検出は,撫でた方向に半球が少し傾く仕掛けを考え,傾いた方向にポインタを移動させる,操作部の傾き角に比例した光学式位置検出方式と加速度センサによる検出機構を試作した.操作域の拡大と強調機能は,非線形拡大手法によりソフトウェア処理して実現した.ポインティングデバイスとしての操作性については,学生や一般の高齢者などボランティアを利用して目標オブジェクトを指示するまでの操作時間と誤り率を測定し,速度,精度,スループットで評価した.上記の試作と評価では,ポインティングデバイスとしての操作性しか評価できないため,視覚支援の効果を定量的に把握し,ユーザビリティ評価する新しい視覚支援の評価方法について,研究代表者が検討・提案し,評価実験を通して有効性を検討した.具体的には,ポインティング評価に用いるステアリング測定を改良し,細かい操作をさせることでユーザの注視域を限定し,リアルタイム計測によって抽出しつつ,ユーザの手操作と視線と操作速度・精度の相関を実験的に検証した.これに並行して,研究代表者と分担者は,視認効果を自在に制御できる3次元曲面表示機能付きデバイスを検討している.まず,光学系のシミュレーションを実施し,初期段階の構成としては,PDA液晶パネルと透過型スクリーンを新たに提案する光学レンズと組み合わせて実現した.本研究で構築した操作デバイスは操作対象物との距離に依存しない可用性を有することから,今後の研究展開としてユビキタス環境下におけるユーザインタフェースのあり方も視野に入れつつ検討を進めている.
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