2007 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントシステムを用いた都市防災力の評価手法の検討
Project/Area Number |
17500099
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
高橋 友一 Meijo University, 理工学部, 教授 (80278259)
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Keywords | エージェト / 減災 / シミューレーション工学 / 社会シミューレーション |
Research Abstract |
地震や火災などの災害は、人間社会に大きな被害をもたらす。阪神淡路大震災や酒田市の火災のように時間と地理的な条件によっては、被害額はさらに大きくなる。東海沖地震をはじめとする大都市災害が想定される状況においては、市民参加による日頃からの避難訓練が、被害を少なくするのに有効であることは言うまでもない。一方で、防災計画を立案する度に、多数の市民が参加する避難・救助訓練を行う事は難しい。その代替手段として、シミュレーションの利用が考えられる。そこでは、被災地の火災延焼・建物崩壊やそれらによる交通混雑の予測に基づく防災計画を評価、災害時の救助活動の支援に加え、市民への避難勧告の効果や消防の救援活動を評価できる仕組によりシミュレーションの効果がより高まる。 本研究では、マルチエージェントシステムの枠組みで災害時における市民の避難活動と救助隊の活動をシミュレーションする包括的な災害・救助シミュレータを用い、防災計画および災害発生時に救助し易い道路網であるかなどの都市災害に対する備え(防災力)の評価方法を検討した。具体的には、(1)名古屋市の想定被害(延焼率)データ用いた検証、(2)救助エージェントの動きの変化を確率モデルで記述し、その遷移行列の固有値、固有ベクトルから、エージェントの動きを定性・定量的に表現する方法の提案、(3)その解析手法により、ミクロレベルのエージェントが活動をマクロレベルの評価(延焼率)から解析することの可能性の検証を行う事などで、都市の防災機能を客観的に評価する手法を検討した。
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Research Products
(2 results)