2005 Fiscal Year Annual Research Report
音声帯域におけるマスキング効果を利用した聴覚重み付け雑音除去に関する研究
Project/Area Number |
17500120
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
林 誠治 拓殖大学, 工学部, 講師 (80218578)
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Keywords | 雑音除去 / マスキング効果 / 聴覚重み付け / スペクトルサブトラクション / 音声帯域 / 音声強調 |
Research Abstract |
フードマーケットのような騒音の大きい環境下において携帯電話等を使用する際の背景雑音を除去するため,本研究ではスペクトルサブトラクション法において,『聴覚のマスキング効果に着目し,高能率音声符号化方式で用いられている聴覚重み付け関数によって差し引くべき雑音スペクトルの量を適応的に算出することで,聴感的に良好な出力音声を得る』ことを目的している. 1.聴覚重み付け関数を背景雑音処理に導入するためのアルゴリズムの検討 聴覚特性にみられるマスキング効果を利用して,雑音を含む音声のスペクトル包絡から推定雑音のスペクトルの重み付け関数をフレーム毎に算出し,音声信号の劣化を低減する手法について調査を行った.その結果,聴覚重み付け関数を用いてスケーリングを行う際,そのダイナミックレンジが重要であるとの結論を得た. (1)ダイナミックレンジの最小値を最適に設定することでホルマント周波数領域の部分に対してのみ差し引く雑音を抑制するという方法を提案した.抑制する度合いをパラメータにより調節し,シミュレーションにより最適値を求めた.本手法の出力音声は従来法に比べて約1dB原音声に近いスペクトルが得られており,音声強調の効果により出力音質の向上が確認された. (2)上記はダイナミックレンジの最小値を固定値としていたが,これを周波数に対する関数値とすることで性能向上を図る方法を提案した.低域は高域よりもマスキングの効果が小さいという理由から,低域では多く,高域では少なくなるように差し引く雑音量の配分を変えた.これにより主観的評価においてより雑音感が低減された出力音声を得ることができた. 2.音声と雑音が混ざった区間と雑音のみの区間を自動的に判別するためのアルゴリズムの検討 聴覚重み付け関数の計算は音声が含まれている区間においてのみ適用するのが望ましい.これについては次年度の研究にて重点的に行いたい.
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Research Products
(4 results)