2006 Fiscal Year Annual Research Report
音声帯域におけるマスキング効果を利用した聴覚重み付け雑音除去に関する研究
Project/Area Number |
17500120
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
林 誠治 拓殖大学, 工学部, 助教授 (80218578)
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Keywords | 雑音除去 / マスキング効果 / 聴覚重み付け / スペクトルサブトラクション / 音声帯域 / 音声強調 |
Research Abstract |
「研究の目的」 携帯電話等を使用する際に耳障りとなる背景雑音を除去するため,本研究ではスペクトルサブトラクション法において,『聴覚のマスキング効果に着目した聴覚重み付け関数を用いることにより差し引くべき推定雑音スペクトルの量を適応的に変化させ,聴感的に良好な雑音除去後の出力音声を得ること』を目的している. 「本年度の研究実施計画との対応」 当初の研究計画・方法では,初年度に検討した聴覚重み付け関数の雑音スペクトルのスケーリングファクタ(重み付け係数)への対応(適応制御),および音声と雑音区間の判別に関する研究を掲げていたが,前者の課題に対する検討事項が多く出てきたことから,本年度は昨年度までに得られたアルゴリズムの改良を行うこととした.また,本研究の成果を国際学会ならびに国内学会で発表し,学会誌への投稿を行った. 1.H17年度の研究で得られたアルゴリズムの改良 (1)入力信号に対して一度簡単なスペクトルサブトラクション法を適用した信号から線形予測係数を算出することで,音声のスペクトル包絡情報の精度を向上させることができた.その結果,差し引くべき雑音スペクトルの推定精度を高めることができ,雑音除去後の出力信号の品質を向上させることができた(国内発表済み). (2)聴覚重み付け関数における重み付け係数を固定値(昨年度)から可変値(今年度)としフレームごとに適応的に制御することで,差し引くべき推定雑音スペクトルの性能向上を図ることができた(国内発表済み). 2.H17年度に得られた研究成果の国際学会発表とH18年度の研究成果も含めた論文誌への投稿 本研究テーマを目的として,その基本原理とこれまで得られた研究成果を纏め,国際学会で口頭発表を行った.また,論文内容を推敲し,電子情報通信学会英文誌へ投稿した(条件付採録決定2007年3月),
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Research Products
(7 results)