2006 Fiscal Year Annual Research Report
マルチチャンネル・ビジョンシステムを用いた認識とその応用
Project/Area Number |
17500129
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
富永 昌二 千葉大学, 工学部, 教授 (10103342)
|
Keywords | ビジョンシステム / マルチチャンネル / 分光画像 / カラー / 物体認識 / ディジタルアーカイブ / 絵画 / 分光反射率 |
Research Abstract |
(1)従来の分光ビジョンシステムと異なり,今年度は分光画像取得の高速化と分光推定の能率化を目的として,新たに干渉フィルタを用いたマルチチャンネル・ビジョンシステムを構築した.このシステムでは画像の取得は簡便になった.しかし各チャンネルの画像を合成した分光画像では色ずれを起こすことが判明した.これのキャリブレーションは今後に課題となった. (2)一般照明環境下における各種物体について,分光反射率や表面粗さといった反射パラメータから物体を識別するアルゴリズムについて検討した.既知の照明光源を使って,物体表面の反射特性を推定する方法を開発した.これらの方法は対象物体の材質に依存することがわかった. (3)産業応用として,電子回路のプリント基板上の要素を識別する問題を検討した.プリント基板上には金属線,レジスト,ハンダといった要素がある.開発した21チャンネルのビジョンシステムを利用し,分光反射率情報に基づいて要素の領域処理と材料同定を試みた. (4)開発した技法を絵画のディジタルアーカイブの問題に適用した.とくに油彩画を対象とし,油彩画に独特の表面特性,つまり絵の具のタッチによる凹凸や油膜層による光沢を再現できるようにした.さらに照明環境と観測点を任意に設定した画像のレンダリングアルゴリズムを開発した.いくつかの絵画について評価実験を行った. (5)自然環境下で物体は全方位から照明されており,全方位における光源分布を推定する必要がある.このため鏡面球を用いた全方位計測系を開発した.これは金属性の鏡面球と我々のビジョンシステムを用いて,光源の分光分布を推定するものである.まず計測系の較正法を検討した.次に全方位画像を生成し,全方位光源の分光分布を推定した.
|
Research Products
(6 results)