2006 Fiscal Year Annual Research Report
被写体の先験情報を用いないカラー画像データからの分光反射率復元と画像再現
Project/Area Number |
17500131
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
嶋野 法之 近畿大学, 理工学部, 教授 (10257975)
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Keywords | 画像入力 / ノイズ / 分光反射率の復元 / 最適化 / 画像取得 / マルチチャンネルカメラ |
Research Abstract |
平成18年度は、測色情報取得のための最適なカメラの分光感度を求め、最適なカメラを試作し、画像取得実験を行なった。また、既存の分光反射率復元モデルと本研究による復元モデルの復元精度を比較した。その結果本研究によるモデルが、最も正確であることが判明した。 1.測色情報取得のための最適な7チャンネルカメラの試作 絵画の測色情報をマルチチャンネルカメラの画像データから正確に取得するために、前年度の研究成果である測色評価モデルを用い、現実の入力系のノイズレベルである35dBで、7チャンネルの分光感度の最適化を行った。この求められた理論値の分光感度に近い干渉フィルタと16ビットAD変換器を持つCCDカメラを組み合わせ最適なカメラを試作した。 この試作されたカメラを用いた画像入力により、分光反射率の復元を行った。 2.ノイズ分散推定モデルと推定値を用いた分光反射率復元 ウィーナ推定による画像データからの分光反射率復元は、その復元精度が推定時に用いるノイズ分散に大きく依存する。従って、本年度は復元時に用いるノイズ分散が入力システムのノイズ分散に等しい時に最も高精度に復元されることを理論的に明らかにし、このシステムノイズ分散を正確に推定するモデルを提案した。また、分光反射率推定時に既存の色票の分光反射率を用い分光反射率の自己相関行列に用いた時、実験によりこの推定されたノイズ分散を用いたとき分光反射率が正確に復元できることを明らかにし、論文により報告した。 本研究による復元モデルと既存の復元モデル(線形、ダイレクトマッピング、Imai-Berns, Shi-Healy)と比較し、被写体の先験情報を用いない場合、本モデルが最も復元精度が高いことが判明し、論文を投稿した。
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Research Products
(1 results)