2005 Fiscal Year Annual Research Report
発声変動が韻律的個人性情報に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
17500133
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
長内 隆 科学警察研究所, 法科学第四部, 室長 (70392264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾関 和彦 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50214135)
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Keywords | 話者認識 / 韻律 / 発話様式 / 基本周波数 / アクセント / イントネーション / 個人性 |
Research Abstract |
音声中に含まれる個人性情報は、声道の伝達特性に由来するスペクトル包絡情報と声帯振動に由来する基本周波数などの韻律情報に大きく分けることができる。この韻律情報は、発声者が意図的に変化させることができる特徴量であるため、これまで話者認識に利用されることは少なかったが、伝送系の影響を受けにくいなどの利点があるため最近注目されつつある。そこで本研究では、発声様式をさまざまに変化させた音声資料を収集し、発声様式の変動が韻律情報に関連する特徴量にどのような影響を与えるかについて調べるものである。 本年度は、発声様式を変化させて31名の話者(成人男性27名、成人女性4名)の音声を収録した。収録は、無響室内で行い、コンデンサマイクロホンを通した音声と電話回線を通した音声を同時に収録した。発声内容は5母音を含む30秒程度のフレーズである。発声様式は、発話速度、発声時の音量、声の高さを変化させることとし、各状態における音声を3回発声させた。収録は2時期に亘って行い、時期差を2ヶ月程度とした 現在、収録した各発話状態における音声資料を、コンピュータに取り込み、ファイル化する作業を行っている。ファイル化したデータの一部を周波数分析し、基本周波数を調べた結果、声の高さと大きさの間に関係があることが推察された。今後は、更に音声資料のファイル化を行い、発話速度、発声時の音量、発声時の音域などの発声様式の違いが各種特徴量の変動範囲に与える影響を明らかにし、各種特徴量を話者認識に取り入れることの有効性などについて検討を行う。
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