2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳型アーキテクチャによる自然言語処理システムに関する研究
Project/Area Number |
17500149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
萩原 将文 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80198655)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 言語処理 / コネクショニストモデル / 推論 |
Research Abstract |
本研究では、自然言語を入力とする推論可能な新しいニューラルネットワーク(LIPNN : Linguistic Information Processing Neural Network)を提案した。LIPNNでは、まず日本語係り受け解析器CaboChaを用いて、入力である自然言語文を意味ネットワークの一種である三つ組表現に変換する。これはセマンティックネットで用いられている知識表現方法と同様なものである。さらに、シソーラスによって単語をベクトル表現へ変換することで、単語の入力次元数を一定にした。これにより、ネットワークへの入力として一定の次元数を確保すればシソーラスに登録されている単語はすべて扱うことができるようになった。その結果、次元数による単語の制約が無くなった。LIPNNは三つ組層、関係層、文意層の3つの層によって構成されている。学習は、まず入力された三つ組表現が三つ組層でそれぞれ対応するマップに学習される。そして、三つ組層の3つのマップの発火パターンが関係層で学習される。最後に、関係層での発火パターンを文意層で学習することで自然言語文と三つ組表現を記憶している。従来のシステムとは異なり制御層が無く、学習に関しては近傍Hebb学習などの冗長な学習が無くなり大幅に簡略化された。さらに学習するべき項目の削減により学習に要する時間は大幅に短くなった。推論時には、発火したニューロンを時間の経過によって発火させなくすることで、外部から制御する必要がなくなった。これにより、制御層なしでも、関係層と文意層を互いに発火させあい、三つ組表現や文章を互いに想起させあうことで推論を行うことができるようになった。
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Research Products
(1 results)