2005 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークの非対称、対称構造における認知、記憶機構の計算論的研究
Project/Area Number |
17500154
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 直宏 愛知工業大学, 経営情報科学部, 教授 (50004619)
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Keywords | 非対称構造 / 非線形回路の最適化 / 非対称、非線形神経回路 / ウィーナ非線形解析 / 偶数次と奇数次の非線形性 / V1野とMT野 |
Research Abstract |
本研究では、われわれが今まで研究してきた、ニューラルネットの非対称構造および対称構造の機能を、大脳皮質の視覚領の部位のV1野及びMT野に適用して、これらの大脳皮質の回路構造の性質を計算論的に明らかにすることである。視覚機能を司るV1野及びMT野の研究は多くの研究者から、研究されている部位である。特に米国のNew York大学のSimoncelliとHeegerにより、その構造が明らかにされ、並列、対称構造であるが非線形性としてHalf-wave Rectificationを有することを示し、そのモデル的構造を提示している。彼らの研究では大脳皮質V1野は非線形性を有する対称構造を持ち、V1野からの出力は、同様な並列、対称構造をもつMT野の構造となることを提示している。本研究ではこれらの知見をベースにして、非線形性を有する並列、対称構造のネットワークが非線形性の性質により、非対称、並列構造のネットワークと同じ機能を有していることを計算論的に導き出した。この非対称、並列構造のネットワークは刺激の変化に対して、きわめて、敏感であることを計算論的に明らかにした。これらの研究のアイデアはcatfishの網膜構造の非対称構造の回路網の機能について2004年の英国(University of Stirling)のInt.Conf.on Brain Inspired Cognitive Systems(BICS2004国際会議)において発表した内容に基づいている。大脳皮質のV1野とMT野の2段構成のネットワークは刺激の変化を捉えるための十分条件となることを計算論的に示した。また非線形性と並列性が重畳作用となり、適確に情報を捉える大きな冗長性となることを明らかにした。以上の知見をまとめ、V1とMTの2層構造のネットワークが情報機能として、十分となることを計算論的に示した。この論文はInt.Conf.IWANN(2005、Lecture Notes in Springer-Verlag)およびSNPD05(IEEE Publication)で発表することができた。
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Research Products
(5 results)