2005 Fiscal Year Annual Research Report
高次元モデル・セミパラメトリックモデルの情報幾何学とベイズ推測に関する研究
Project/Area Number |
17500178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
駒木 文保 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (70242039)
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Keywords | ポアソンモデル / 漸近理論 / 決定理論 / 予測 |
Research Abstract |
高次元モデルについて,性能の良い予測法・推測法を,情報幾何のアプローチを用いてベイズ法に基づいて系統的に構成する手法の研究を行った. プロパーな事前密度に基づく予測や推測が,インプロパーな事前密度となる無情報事前分布に基づく予測や推測より,真のパラメータの値によらず,常に良い性能をもつことは素朴な直観からすれば不合理なことにも感じられる.しかし,多変量正規分布の場合には,このような現象が起こることが知られていた.情報幾何の立場からは,多変量正規分布と,多変量ポアソンモデルはモデル多様体として,類似した構造をもつので,同様の現象が多変量ポアソンモデルの場合にも生じることが予想される.実際,多変量ポアソンモデルの場合において,プロパーな事前密度に基づく予測密度でジェフリーズ事前分布に基づく予測密度を優越するものがモデルの次元が5次元以上の場合に構成できることを証明し,この現象が正規分布に限らない普遍的なものであることを示した. 個々の具体的な統計モデルの性質を調べて応用するのは,モデルによっては必ずしも容易であるとは限らない.そのようなモデルに対しては漸近理論によるアプローチが必要になる.予測のリスクを漸近的に評価することにより,予測分布の漸近許容性,漸近ミニマックス性などの決定理論を漸近理論の視点から展開した. 2005年12月に東京大学で開催された第2回「情報幾何とその応用」国際会議で関連する研究成果を発表した.
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Research Products
(3 results)