2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトアプローチによる金融市場リスクマネジメント方法の開発
Project/Area Number |
17500184
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
徐 春暉 Chiba Institute of Technology, 社会システム科学部, 准教授 (70279058)
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Keywords | 資産運用 / ポートフォリオ / ソフトアプローチ / リスクマネジメント / VaR |
Research Abstract |
ニューヨーク株式市場の株価データを用いて、提案したポートフォリオのマネジメント方法を検証した。 1.静的なポートフォリオマネジメント方法の検証 まず、VaRをリスク指標とするポートフォリオ選択モデルをソフト解析アプローチで解析し、それに基づく資産運用とindexファンドが使用しているパシブな資産運用戦略による運用実験を行い、ポートフォリオのリターンとリスク両面からソフト戦略の優越性を示された。 次に、多リスク指標ポートフォリオ選択問題をモデル化し、ソフトアプローチでモデルの解析方法を提案した。多リスク指標の例としてVaRと下方半分散を選んだ。モデルの解析結果に基づきポートフォリオ選択実験を行い、選択されたポートフォリオが多リスク指標において予め決められた投資制約を満たせることは確認された。 2.動的なポートフォリオマネジメント方法の検証 本研究で提案された多期間ポートフォリオ最適化モデルとリバランス時刻非固定のControl-theoreticalモデルを用いて、ポートフォリオマネジメント実験を行った。 多期間ポートフォリオ最適化モデルによる運用は最初決められたリバランス時点にモデルのソフト再解析を行い、投資配分率を調整するという方法である。Control-theoreticalモデルによる運用は常にポートフォリオの計画末におけるリスクとリターンを予測し、手元のポートフォリオのリスクとリターンは投資要求から外れたら、リバランスを実施するという方法である。 多期間モデルによる運用は決められた時刻にリバランスを行い、リバランスコストが大きいことがわかった。それに対して、Control-theoreticalモデルは必要な時だけリバランスを行い、リスクとリターンに対する制約がそんなに厳しくない時には、リバランスコストが低いことを判明した。 Control-theoreticalモデルによる運用はポートフォリオのリスクとリターンを常に投資要求内に抑えることが出来るから、より実用的な方法とは言えるだろう。
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Research Products
(5 results)