2007 Fiscal Year Annual Research Report
ボロノイ・デローネイ空間分割と空間統計学との融合的研究
Project/Area Number |
17500188
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
種村 正美 The Institute of Statistical Mathematics, モデリング研究系, 教授 (80000214)
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Keywords | ボロノイ・デローネイ解析 / 全地球規模余震活動 / 時空間データ / 形状解析 / ランゲルハンス細胞 / 球面ボロノイ・デローネイ分割 / MCMCによる近似尤度 / スーパーコンピュータ・システム |
Research Abstract |
空間中に多数の点(粒子と呼ぶ)が散布されているとき、粒子配置の統計的性質の特徴を引き出し、当該分野で有用となる結果を提供することが「空間統計学」の大きな役割である。一方、与えられた配置図データ(粒子座標データ)を利用して観測領域をボロノイ・セルやデローネイ・セルに分割することによって、それらのセルの形状分布から粒子配置の特徴を引き出す手法が「ボロノイ・デローネイ解析」である。従来は、「ボロノイ・デローネイ解析」が「空間統計学」のいわず補助手段にとどまっていた感があったため、両者の積極的な融合を図ることを目的として本研究計画が企画された。 本年度は本研究計画三ヶ年の最後の年として研究活動を行った。そして、本計画の趣旨が将来の研究に発展的につながることを意識して研究を進めた。特に、全地球規模の余震活動の記録は近年、国際的な観測協力体制が進んでいることもあって、データが集積しつつあり、またそのデータの解析が地球規模の地震予測等のために重要になってきている。われわれは、昨年度に取り組みを開始した地震の余震活動に関する大規模な時空間データに対するボロノイ・デローネイ解析の計算を、スーパーコンピュータ・システムAltixと本研究計画で導入したUNIXワークステーションの併用によって継続するとともに、上記の全地球規模の余震活動データのボロノイ・デローネイ解析を準備した。後者の計算を実行するためには、球面上のボロノイ・デローネイ分割が必要となる。われわれは、すでに球面ボロノイ・デローネイ分割のコンピュータ・プログラムを開発済みであるが、今回の余震データを解析するための特別な調整に取り組んで、予備的な解析を行うことができた。本格的な計算は次年度以降に行う計画である。 その他、今年度は本研究計画の最終年度として、これまでの研究成果の論文発表を準備すると同時に、今後、「空間統計学」と「ボロノイ・デローネイ解析」との融合を発展的に進める計画の具体化として、ボロノイ・デローネイ分割に対するパラメトリック・モデルのMCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ法)による尤度法を発案した。
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Research Products
(13 results)