2005 Fiscal Year Annual Research Report
正則化統計モデリングに対する計算集約型モデル選択法の実用化に関する研究
Project/Area Number |
17500189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
川崎 能典 統計数理研究所, モデリング研究系, 助教授 (70249910)
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Keywords | 情報量規準 / 正則化法 / ブートストラップ / 時系列モデル / 周辺化尤度 / 金利期間構造 / GARCHモデル |
Research Abstract |
1.今年度は本格的に時系列問題に取り組む前に、平滑化スプラインや動径基底関数ニューラルネットワークのように、漸近的なバイアス補正項の形が解析的に求まるケースを考察した。利付債券の取引データから金利期間構造を推定する問題に対し、ノンパラメトリック回帰を正則化問題として捉え、イールドカーブの推定モデルの構築を試みた。通常は割引関数の空間を基底展開してイールドカーブ推定を行うが、割引関数を変換したフォワードレート(将来のある時点から更にその先のある時点までの金利)曲線を基底展開する方が、推定誤差が小さいことがシミュレーション等で経験的に知られている。しかし、フォワードレートを基底展開する方法の問題点は、もはや一般化交差検証法(GCV)による正則化パラメータの選択が理論的根拠を失うことである。これに対し、一般化情報量規準GICを援用することで、理論的根拠のある正則化パラメータ選択法を提案した。結果は論文査読を経て国際学会MODSIM05で報告され、議事録に掲載された。2.時系列モデルの選択問題としては、一変量および多変量GARCHのモデル比較を、所与のダウンサイドリスク(具体的にはValue at Risk)とのコヒーレンシーの観点から行った。各種モデルの推定結果を所与として予測シミュレーションを行い、VaRの下側1%点を超える経験的頻度を二項検定で比較した。多変量GARCHモデルに対しては、パラメータ数を勘案すると、Dynamic Conditional Correlationモデルが最もパフォーマンスが良く実用的であることが明らかになった。この結果は、論文査読を経て国際会議ICCMSE05で報告され、会議録に出版された。
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Research Products
(2 results)