2007 Fiscal Year Annual Research Report
正則化統計モデリングに対する計算集約型モデル選択法の実用化に関する研究
Project/Area Number |
17500189
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
川崎 能典 The Institute of Statistical Mathematics, モデリング研究系, 准教授 (70249910)
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Keywords | 情報量規準 / 正則化法 / モデル選択 / 状態空間モデル / 時系列解析 / 干渉解析 / ロジットモデル / オンライン学習システム |
Research Abstract |
今年度は、平滑化事前分布(正則化法)を利用した状態空間モデルの応用として、干渉項を含む観測不能要素型時系列モデルの推定に関する研究を行った。主たる関心は外生的説明変数と言える干渉項の推定にある。カニクイザルに対して薬物を投与して得られた、最低血圧、最高血圧、心拍数等の時系列データに対し、トレンド成分、定常AR成分、指数関数型干渉項への分解モデルを与え、個体ごとに毒性を検出する方法を研究した。その成果は国際会議MODSIM07において報告され、査読付き会議議事録に論文として出版された。このような時系列モデリングを通じ、対照群に見られる効果を差し引く形である用量レベルにおける「毒性」を定量化し、複数の用量レベルから薬物のリスクを推定してゆく枠組みに拡張できれば、その意義はいっそう高まると考えられる。また、研究成果公開の一環として、状態空間モデルによる時系列解析をウェブ上で可能にするシステムを中心に据えたオンライン学習システムの構築を研究し、その成果を国際学会で報告した。このほか、ロジットモデルのような判別モデルの説明変数として、主効果以外に交互作用を入れたいときに、如何にして効果的な変数を発見するかを研究した。ここでは、情報量規準による2×2分割表の全探索と二項検定による変数絞り込みを提案している。交付期間中には、正則化法を導入するには至らなかったが、将来的には、ベイズ型ロジットモデルのような正則化型の展開を行えば、現在のような判別モデルの増分型探索はなしで済ませられる可能性が高く、本研究の意義はより高まると思われる。
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Research Products
(2 results)