2005 Fiscal Year Annual Research Report
高精度タンパク質構造モデリングおよび構造評価手法の開発
Project/Area Number |
17500191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 謙多郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80178970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 周吾 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90272442)
寺田 透 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特任助教授 (40359641)
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Keywords | 生体生命情報学 / 蛋白質 / プロテオーム / 構造予測 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
タンパク質の詳細な機能の解析、酵素、薬剤設計などの応用には、全原子レベルの精度の高い構造予測(モデリング)が重要である。本研究では、ホモロジーモデリングなど、既存の構造予測手法で得られた構造に対して、重要な部位について重点的に予測精度を向上させることが目的とする高精度タンパク質構造モデリングシステムを開発した。本年度はとくに溶媒効果を取り入れたマルチカノニカル分子動力学計算による効率的かつ高精度なモデル構造の生成に関する研究に取り組んだ。具体的な問題として、立体構造が多く決定されでいるSH2ドメインのうち、とくにhuman p56 lck(PDB ID:1LKK)の構造をもとに、Xlp SAP(PDB ID:1D4W)の構造を予測する問題を取り上げた。MDの初期構造をホモロジーモデリング(Modeller)により作成し、マルチカノニカルMDを温度400Kと500Kにて行った。また、ループ以外の主鎖を剛体として拘束するケース、水分子を陽に含む系と、Generalized Born(GB)モデルを使用して溶媒を連続体として近似するケースを試みた。さらに、モデリング構造と結晶構造、および両方に対してマルチカノニカルMDを行って比較を行った。その結果、温度500K(GB,拘束有り)のマルチカノニカルMDでは、結晶構造の近傍(ループ部分のRMSD=0.84Å)に到達することができた。また、タンパク質のモデル構造を評価するタンパク質構造評価プログラムを開発した。現在、Verify 3Dの評価をより精密化する方向で拡張している。
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Research Products
(5 results)