2006 Fiscal Year Annual Research Report
高精度タンパク質構造モデリングおよび構造評価手法の開発
Project/Area Number |
17500191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 謙多郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (80178970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 周吾 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (90272442)
寺田 透 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特任助教授 (40359641)
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Keywords | 生体生命情報学 / 蛋白質 / プロテオーム / 構造予測 / 構造評価 / 構造精密化 |
Research Abstract |
タンパク質の詳細な機能の解析、酵素、薬剤設計などの応用には、全原子レベルの精度の高い構造予測(モデリング)が重要である。本研究では、昨年度に引き続き、ホモロジーモデリングなど、既存の構造予測手法で得られた構造に対して、重要な部位について重点的に予測精度を向上させることが目的とする高精度タンパク質構造モデリングシステムを開発した。本研究で開発した構造モデリング手法は、(1)局所構造情報を利用した側鎖モデリング、(2)溶媒効果を取り入れたマルチカノニカル分子動力学計算による効率的かつ高精度なモデル構造の生成、(3)生成した多数の候補構造から予測構造を絞り込むための構造クラスタリング、(4)予測構造の妥当性の詳細な評価の4段階から構成される。ループ部の構造や側鎖の構造を精確に予測することができるようにするとともに、構造評価プログラムの結果をもとに、繰り返し構造の精密化を試みることを可能にした。構造評価については、すでにVerify3Dと同様の3次元プロファイルを用いた構造評価プログラムを開発しており、各アミノ酸残基がとる二次構造、極性原子との接触面積、残基の埋もれ度のほか、長さ5残基のとり得る構造を10通りに分類したものを構造環境として用いている。本研究では、このプログラムをもとに、原子間の距離、アミノ酸残基の埋もれ度(残基の周辺の重原子の数)、アミノ酸残基の周辺のN、O原子の数、残基間の水素結合能、静電相互作用、側鎖の反発などを統計ポテンシャルとして定義して実装し、実際のモデル構造に適用して、提案手法が、ネイティブ構造を高い精度で識別できることを確認した。
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Research Products
(6 results)