2007 Fiscal Year Annual Research Report
単一物体の認識と操作における第一及び第二体性感覚野両手ニューロンの役割
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17500205
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田岡 三希 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (80236174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美智雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00057738)
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Keywords | 大脳皮質第二体性感覚野 / 単一神経活動 / 両側性ニューロン / 手指の運動 / 口腔組織の運動 / 連続動作 / ムシモール注入 / マカクザル |
Research Abstract |
1.手指と口の運動の両方に応じるニューロン(hand-mouthニューロン)の発火様式 昨年度に報告した両手と口の動作に応じるhand-mouthニューロンの性質を第二体性感覚野(SII)で詳細に検討した。サルが片方の手で餌を取り一方の手に持ち替えてから食べるという連続動作中の発火パターンを調べたところ、Phasic typeとTonic Typeに分類できることが分かった。Phasic typeのニューロンは手で餌を摘むなどある特定の動作に伴って一過性に発火し、また口の動きにも応答した。一方、Toiic typeのニューロンは発火のタイイングと特定の動作との関連がはっきりせず、動作中に持続的な発火を示した。これらの中には、サルが被検者の手や餌に触れる前から餌を口に入れて食べ始めるまで、連続的な発火パターを示すニューロンが半数以上あった。これらのニューロンは、一連の動作を構成する要素的動作のタイミングや動作全体を情報として脳内に表現するのに役立っていると考えられた。 2.hand-mouthニューロンの分布 サルー頭の実験終了後の組織学実験により、hand-mouthニューロンのSII内での分布を明らかにした。その結果、頭頂弁蓋部のouter-faceの手の再現と口の再現が重なる領域で主に記録されることが分かった。inner-faceでも手や口に受容野を持つニューロンが記録されたが、これらのニューロンの多くは餌取り連続動作では発火しなかった。このことはSIIが機能的に異なる複数の領域からなることを示唆している。 また、ムシモール注入実験では動作に顕著な影響を観察することはできなかった。hand-mouthニューロンのほとんどが左右どちらの手を使っても活動したことから、対側SIIが補償作用を示す可能性が考えられるので、両側SIIの同時的不活化の実験を実施する必要があると考えられる。
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Research Products
(3 results)