2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500213
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
加藤 邦夫 高知大学, 医学部, 教授 (70346708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 健 高知大学, 医学部, 助手 (10372731)
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Keywords | 皮質伝達物質 / 中枢神経システム / アラキドン酸 / PLA2 / シナプス可塑性 / 長期抑圧 / リポキシゲナーゼ / 遺伝子欠損動物 |
Research Abstract |
統合失調症死語脳研究において発現の異常が報告されている脂質伝達物質としてのcPLA2の中枢神経系における働きを統合失調症の発病要因との関係で調べた。まずcPLA2の遺伝子欠損マウスの生理学的特徴を調べた。遺伝子欠損マウスは野生型とほぼ同等の出生率を示し、特別な外観上および通常の行動における表現型に異常を示さなかった。生後4週前後のマウスの脳より海馬を取り出してスライス標本を制作し、CA1領域より電気生理学的な解析を行った。集合電位およびEPSPを観察すると、通常のシナプス反応には有意な変化は認められなかった。また二発刺激(paired-pulse stimulation)でも変化は認められなかった。D-AP5存在下で頻回刺激を与えると前シナプスの伝達物質放出依存性の一過性シナプス反応の増強が認められるが、遺伝子欠損マウスはこれにも異常を示さなかった。D-AP5を投与せずに高頻度刺激を与えてシナプス可塑性を調べた。θ-burst刺激を与えると長期増強現象(LTP)が誘導されるが、野生型との間にLTPの大きさに有意差は認められなかった。低頻度刺激を与えると野生型ではおよそ18%の長期抑圧現象(LTD)が誘導されたが、遺伝子欠損マウスではLTD誘導がほぼ完全に抑制された。cPAL2の下流に存在するアラキドン酸カスケードがLTD誘導抑制に与える影響を調べた。CA1錐体細胞パッチクランプをおこない、ガラス電極を通して細胞内に5-HPETEを拡散させて、遺伝子欠損マウスで低下していると考えられているアラキドン酸カスケードを補償したがLTDは回復しなかった。12-HPETEを同様の方法で細胞内に拡散させた後にLTDの誘導刺激を与えるとLTDが誘導された。以上の結果より12-HPETEの活性がLTDの誘導に必要であることがわかった。
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Research Products
(2 results)