2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500214
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中山 孝 横浜市立大学, 医学部, 準教授 (90150060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 順雄 首都大学東京, 人間科学研究科, 教授 (50159985)
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Keywords | ES細胞 / アストロサイト / Neural Stem Sphere / 神経幹細胞 / 神経細胞 |
Research Abstract |
我々は胚性幹(ES)細胞のコロニーをアストロサイトの培養上清(ACM)で浮遊培養し、Neural Stem Sphere(NSS)と名付けた細胞凝集体を形成させることで、ES細胞から直接に効率よく神経幹細胞を作製することができた。さらにこの神経幹細胞がACM中で神経細胞のみに一方向的に分化誘導できることを既に報告した(Neuroreport15:487-491、2004)。NSS法によるES細胞由来の神経幹細胞が、他の神経系細胞に分化するかどうかを検討したところ、神経幹細胞からアストロサイトに分化することを見いだした。神経幹細胞を単層培養で増殖させる時には、培養液中に繊維芽細胞増殖因子(FGF)-2の添加が必要であるが、培地をFGF-2不含有の培養液に交換するだけでアストロサイトに分化誘導することができた。培地交換後5日目には、90%以上の細胞がアストロサイトのマーカータンパク質であるGFAPに対する抗体に陽性となっており、神経幹細胞から神経細胞への分化とほぼ同じ時間経過で分化が誘導された。また、神経幹細胞のマーカー遺伝子のNestin発現は消失し、神経細胞のマーカー遺伝子のMAP2の発現は認められなかった。これらの結果から、FGF-2除去により、全ての神経幹細胞が一方向的にアストロサイトへ分化したことが明らかとなった。ES細胞由来の神経幹細胞はFGF-2が存在する時には強制的に分化が抑制されて細胞増殖し、またACM中の分化誘導因子存在下では一方向的に神経細胞に分化する。しかしながら、アストロサイトへの分化誘導にはまったく液性因子を必要としない。これらの事から、ES細胞由来の神経幹細胞のデフォルトでの分化の終着点は、アストロサイトであることが結論づけられた。
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Research Products
(5 results)