2005 Fiscal Year Annual Research Report
感覚器電位依存性チャネルの機能解析と再生・分化過程における機能発現の解析
Project/Area Number |
17500217
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
宮地 栄一 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (90129685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 房夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (20300725)
大熊 真人 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (50329710)
松崎 かおり 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (80387703)
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Keywords | 感覚器 / 網膜双極細胞 / 網膜神経節細胞 / パッチクランプ法 / 電位依存性ナトリウムチャネル / アセチルコリン / 視神経切断 / 再生 |
Research Abstract |
われわれはこれまでにヒト視細胞において電位依存性ナトリウムチャネルの存在を明らかにし、遠位網膜における視覚情報処理において、従来から考えられてきたアナログ処理に加えて、ナトリウムスパイクによるデジタル処理が行われていることを示唆してきた。本研究では、ヒトの網膜二次ニューロンである双極細胞について、視細胞と同様の電位依存性ナトリウムチャネルの存在を電気生理学的および分子生物学的に検索した。藤田保健衛生大学病院の網膜剥離患者の視力回復手術等において研究協力者の堀口正之眼科学教授によって手術中に切除された網膜の破片(500μm×500μm以内)から単離した細胞あるいはスライス標本を作成して実験を行った。なお、本研究は患者から同意文書を得て、ヘルシンキ宣言や国内外学会の倫理規定に従い、また学内の倫理委員会の許可を得て行った。 パッチクランプ法のホール・セル・モードで、ヒト双極細胞において内向きの電位依存性陽イオン電流を観察した。この電流はテトロドトキシンの投与で消失したことから、電位依存性ナトリウム電流であることが明らかになった。また、双極細胞よりmRNAを抽出し、single-cell RT-PCR法により、電位依存性ナトリウムチャネルのサブタイプの同定を行い、視細胞と同様のNa_v1.2タイプのチャンネルが双極細胞で発現していることが明らかになった。 平成17年度の途中より渡部眞三・本研究室客員講師(愛知県発達障害研究所・主任研究員)が研究協力者として加わり、ネコ視神経切断後の網膜ニューロンの電位依存性および受容体チャネルのサバイバルと再生過程についても研究を開始した。視神経切断後の網膜神経節細胞において、アセチルコリン応答および電位依存性ナトリウム電流の変化を観察した。平成18年度も他のチャネルも含めて、再生過程におけるチャネルの発現および機能の変化を詳細に解析する。
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Research Products
(6 results)