2006 Fiscal Year Annual Research Report
Ca^<2+>/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII活性による脳機能制御
Project/Area Number |
17500218
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
山肩 葉子 生理学研究所, 生体情報研究系, 助教 (20210338)
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Keywords | シグナル伝達 / 神経科学 / 生体分子 / 生理学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
Ca^<2+>/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)は、中枢神経系に豊富に存在し、様々な蛋白質をリン酸化することにより、その蛋白質の機能を修飾するプロテインキナーゼとして、神経活動の制御やシナプス可塑性に深く関わり、学習・記憶を始めとする高次脳機能にも重要な働きをすると考えられている。本申請者は、CaMKIIα(前脳におけるCaMKIIの主要なサブユニット)の持つ3つの機能、(1)他の蛋白質をリン酸化するプロテインキナーゼとしての機能、(2)Ca^<2+>結合蛋白であるカルモジュリンを結合する機能、(3)CaMKIIサブユニット同士が結合して、あるいは他の蛋白質と結合して構造蛋白として働く機能、のうち(1)のプロテインキナーゼ活性のみを欠損させた特異性の高い「機能的ノックアウトマウス」をノックインの手法を用いて作成した。このマウス脳では、CaMKIIαのプロテインキナーゼ活性のみが選択的に消失するが、蛋白としての発現は維持されており、シナプス可塑性との関連が示唆されるmRNAの樹状突起への局在も保たれていた。電気生理学的、形態学的解析によって、海馬におけるシナプス可塑性の異常が観察され、また、それに対応するように、海馬依存性の学習行動にも異常が生じていた。これらのことから、CaMKIIαのプロテインキナーゼとしての活性自体が、正常な海馬機能の維持に不可欠であることが明らかとなった。今後このマウスは、これらの機能維持に関わるリン酸化蛋白基質の検索・特定に大変有用であると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The role of CaMKII in neuronal functions revealed by inactivated knock-in mouse.2006
Author(s)
Yamagata, Y., Sakagami, H., Imoto, K., Obata, K., Takao, K., Miyakawa, T., Yanagawa, Y.
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Journal Title
Bull. Jpn. Soc. Neurochem. 45・2,3
Pages: 355
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[Journal Article] The role of Ca^<2+>/calmodilin-dependent protein kinase II in neuronal functions revealed by inactivated CaMKIIα knock-in mouse.2006
Author(s)
Yamagata, Y., Sakagami, H., Imoto, K., Obata, K., Yanagawa, Y.
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Journal Title
Neurosci. Res. 55,Suppl.1
Pages: S178