2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500227
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
八木 秀司 福井大学, 医学部, 助手 (10303372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 真 福井大学, 医学部, 教授 (10222019)
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Keywords | Vlgr1 / 遺伝子欠損マウス / 難聴 / 蝸牛 / 有毛細胞 / 不動毛 |
Research Abstract |
Vlgr1分子と結合する分子の検索について 現在、ベクターの作製は終わり、細胞にトランスフェクションを行い、発現の確認を行っている。ただし、細胞内では強制発現したVlgr1分子の多くは粗面小胞体に取り込まれ、細胞表面に発現している分子が少ないことが判明した。この現象を避けるため、ベクターの構成を変更する予定である。 Vlgr1分子の有毛細胞での発現時期の確認 Vlgr1 EYFP knock-inマウスを用い、内耳におけるVlgr1分子の発現部位の検索を詳細に行った。内耳の蝸牛有毛細胞のみならず、平行斑および三半規管膨大部陵の有毛細胞にEYFPの発現を認めた。発現時期に関しては胎生14日より、生後8日までの内耳に発現していることが明らかとなった。 Vlgr1遺伝子欠損マウスの難聴の原因解析 Vlgr1遺伝子欠損マウスの聴性脳幹反射を詳細に行った。Vlgr1遺伝子欠損マウスの聴力異常は、生後約2ヶ月、および、約6ヶ月の時点においても生後3週時点とほぼ変わらない水準であり、加齢に伴う変化は明らかでなかった。Vlgr1遺伝子欠損マウスとコントロールマウスでは、聴性脳幹反射で観察した聴力の差は低音域より高音域まで約50dBあり、どの音域でも難聴があることが明らかとなった。また、内耳、特に有毛細胞の機能を反映する耳音響反射を行ったところ、Vlgr1遺伝子欠損マウスでは有意な耳音響反射を認めなかった。以上より、内耳、特に蝸牛の異常が示唆された。Vlgr1遺伝子欠損マウスの内耳を走査型電子顕微鏡により形態学的に検討した。この結果、生後4日以降より、蝸牛外有毛細胞に、感覚を司る不動毛の乱れを認めた。
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