2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500227
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
八木 秀司 福井大学, 医学部, 助手 (10303372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 真 福井大学, 医学部, 教授 (10222019)
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Keywords | Vlgr1 / 遺伝子欠損マウス / 難聴 / 蝸牛 / 有毛細胞 / 不動毛 |
Research Abstract |
1)Vlgr1分子の機能ドメインに関する検索 1-1 Vlgr1分子の細胞外ドメインの機能検索 P19細胞を神経系の細胞に分化誘導し、Vlgr1の発現を誘導した。mRNAレベルでは誘導可能であったが、蛋白レベルでの発現を確認することが出来なかった。 1-2 Vlgr1分子細胞内ドメインと結合する分子の検索 この実験を遂行する段階で、海外のグループがVlgr1分子と結合する候補を報告した。我々は、実験の遂行を促進するため、他の研究グループとの共同実験としてVlgr1分子と結合する分子の探索を行った。その結果、Vlgr1分子は、内耳有毛細胞不動毛基部に存在する分子群と結合することが判明した。 2)Vlgr1遺伝子欠損マウスの難聴の原因解析 Vlgr1に対する抗体を用い、免疫電顕にて、Vlgr1分子の発現部位を同定した。マウスでは胎生期後期より、生後10日程度まで、内耳有毛細胞の不動毛基部で不動毛と不動毛の間に存在することが判明した。その部位、および発現の時期は、不動毛間をつなぐアンクルリンクに相当することがわかった。そこで、透過型電子顕微鏡を用い、Vlgr1遺伝子欠損マウスにおいてアンクルリンクの形状を観察した。その結果、Vlgr1遺伝子欠損マウスにおいては繊維状の構造物は不動毛間に見出すことが出来たが、明らかなアンクルリンクは確認できなかった。 アンクルリンク構造はカルシウムイオンが存在しない状況下では消失することが知られている。そこで、生後2日目の正常マウスの内耳をカルシウムイオンキレート剤であるBAPTA存在下で2時間培養した後、Vlgr1の発現を検討した。その結果、Vlgr1はBAPTA存在下で消失することが判明した。以上の結果より、Vlgr1分子は、内耳有毛細胞の不動毛発達に重要な役割を果たしており、アンクルリンク構造と関係が深いことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Vlgrl is required for proper stereocilia maturation of cochlear hair cells2007
Author(s)
Yagi, H., Tokano, H., Maeda, M., Takabayashi, T., Nagano, T., Kiyama, H., Fujieda, S., Kitamura, K., Sato, M.
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Journal Title
Genes Cells 12
Pages: 235-250
Description
「研究成果報告書概要(欧文)」より