2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500228
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
工藤 基 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80108141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 清 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (40215083)
瀧 公介 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20359772)
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Keywords | 聴覚 / 下丘 / 耳鳴り / P2X / ノシセプチン / ラット / 大脳皮質 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
中枢性耳鳴りは、大脳皮質から下丘への下降投射系が異常をきたして、下丘や聴覚脳幹の抑制系の機能不全から惹起されるという仮説を我々は持っている。プレプロノシセプチン遺伝子のプロモーター支配下にコレラ毒素B(CTB)が産生されるような人工遺伝子を作成した。プラスミドの構築には遺伝子操作によって、我々は現在までにCTBをコードする遺伝子とノシセプチン発現遺伝子を含む種々のBamHIフラッグメントを結合し、ノシセプチン産生細胞自体とこれにシナプス結合するニューロンだけを可視化した。我々は電気穿孔法で下丘ニューロンヘも導入に成功し、特異的な動態を示すDNAトレーサーとして使用することを確認できた。さらに大脳皮質剥離ラットで上記プラスミドを正常ラットと同様に下丘に導入して、GABAやGlycineやVGluT(vesicular glutamate transporter)とノシセプチンの二重染色することが出来た。しかし得られた研究成果を発表する前に他の研究機関から同様の研究結果が公表され、それを凌駕する新所見は得られなかった。そこで末梢での侵害刺激の受容に大きな役割を演じているATP受容体であるP2Xに注目した。これが聴覚皮質-下丘路抑制系に関与している可能性が濃厚であることが、研究遂行過程で分かってきた。そこで研究の重点をこれに移している。現在までの成果として:1)RT-PCR法により、6つのP2Xサブタイプのうち、P2X1が下丘に特異的に存在する。2)免疫組織化学により聴覚皮質一下丘路線維がP2X1陽性であって皮質剥離でこれが消失する。3)下丘の中心核と外側核にP2X1陽性ニューロンが存在する。4)生後8週から12週の間にこれらのP2X1陽性ニューロンの出現に大きな変化がおこる。今後、このP2X1システムについて機能形態的変化を鋭意調べてゆきたい。
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Research Products
(7 results)