2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳に特異的に存在するニューログリカンCの機能解明と神経再生応用への可能性探求
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17500246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
青野 幸子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 主任研究員 (20231780)
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Keywords | ニューログリカンC / コンドロイチン硫酸 / プロテオグリカン / ノックアウトマウス / ノックダウンマウス / 神経回路 / 神経伝達 / 脳 |
Research Abstract |
ニューログリカンC(NGC)は脳に特異的に発現する膜貫通型コンドロイチン硫酸プロテオグリカンである。本研究の目的の一つである、神経回路網形成および神経伝達におけるNGCの役割を明らかにするために、NGCの発現量が数%に抑制されたNGCノックダウン(KD)マウスを用いて解析を行った。野生型およびKDマウスの脳をニッスル染色あるいはHE染色したところ、両者間で大きな差は認められなかった。現在、シナプス周辺を詳細に観察するために、シナプトフィジン、GABA等に対する抗体を用いた染色およびゴルジ染色を行っている。二次元電気泳動法を用いて脳タンパクを解析したところ、両者間で量的違いのみられるタンパクが見つかった。行動解析を行ったところ、予備実験の段階ではあるがモリス水迷路および受動的回避学習実験で差が認められた。 二つめの目的であるNGCの持つCS鎖の神経回路網形成における役割を明らかにするために、以下の実験を行った。培養神経細胞突起伸長に及ぼすNGCのCS鎖の影響について調べるため、CS鎖のついたNGCをカイコで大量に発現させることを試みた。が、カイコではNGCにCS鎖は結合しなかった。現在、CS鎖のついたNGCをNeuro2A細胞培養液中に大量に分泌させることを試みている。またCS鎖の結合していないNGCを発現する遺伝子改変マウス(NGC-S123Aマウス)を作製しており、ヘテロマウスを得ることができた。現在C57BL/6に戻し交配を行い始めたところである。NGCコアタンパクへのCS鎖付加機構を明らかにするために、GRP78(シャペロンタンパク)とNGCをNeuro2a細胞に同時に発現させ、NGCのCS鎖付加状態について調べた。正常GRP78を発現させたNeuro2a細胞(本来CS鎖を持つNGCを発現)でCS鎖のないNGCを発現させることができた。
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Research Products
(3 results)