2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化型ガレクチン-1誘導マクロファージによる末梢神経再生制御機構
Project/Area Number |
17500265
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
堀江 秀典 早稲田大学, 先端バイオ研究所, 教授 (80046135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 宏子 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (60184769)
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Keywords | 酸化型ガレクチン-1 / 発生・発達・再生神経科学 / 分子・細胞神経科学 / マクロファージ |
Research Abstract |
酸化型ガレクチン-1がマクロファージを刺激して末梢神経再生を促進することを明らかにしてきた。しかし、酸化型ガレクチン-1の刺激によりマクロファージ内のどの分子が活性化され、神経再生が促進されるのかは不明であった。本研究ではRT-PCRによりマクロファージ内のどのような因子のmRNAが活性されるか、またWestern Blotting法によりどのようなシグナル伝達系が誘導されるのか解析を行った。ラットの腹腔よりマクロファージを洗い出し、マクロファージ用の無血清液中で培養した。コントロール液中での培養では神経栄養因子であるNGF,GDNF,NT-3,NT-4/5,IGF-1,IGF-IIのmRNAはほとんど検出されなかったが、IL-1β,IL-6,LIFのmRNAの発現が認められた。培養液中に酸化型ガレクチン-1を加えても前記の神経栄養因子のmRNAは検知されなかったが、IL-1β,IL-6,LIFのmRNAの発現上昇が認められた。in vitro末梢神経再生モデルを用いた研究によりこれらの因子が神経再生を促進することが明らかになっている。このことより末梢神経組織内でのガレクチン-1発現が損傷により上昇し、損傷部での酸化型ガレクチン-1濃度が上昇しマクロファージを刺激してこれらの因子による神経再生促進が行われているものと推察される。また同様の実験系を用いマクロファージ内のタンパク質のリン酸化を解析した結果、酸化型ガレクチン-1によりリン酸化に変化が起こることが明らかになった。現在その過程の詳細な解析を進めている。今後は同因子がマクロファージ内のどのシグナル伝達系を活性化していくかを明らかにしていくと同時に、酸化型ガレクチン-1の受容体の解明を進めていく計画である。
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Research Products
(11 results)