2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500270
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 康彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70290913)
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Keywords | 前庭代償 / 前庭神経核 / 膜特性 / in vivo / パッチクランプ / 可塑性 / 眼球運動 / ラット |
Research Abstract |
前庭代償前後において神経活動が変化する前庭神経核ニューロンはどのような特性を持つニューロンなのかを明らかにするため、我々はこれまで、健常動物における前庭神経核ニューロンの特性を調べてきた。生後約3週齢のラットからスライス標本を作製し、ホールセルパッチクランプ法を用いて、電流通電に対する電位応答からスパイク後過分極(AHP)、発火パターン、過分極応答特性の3つの膜特性を調べた結果、3種類のAHP、4種類の発火パターン、3種類の過分極応答特性が観察された。本研究では、このような膜特性がin vivo標本においても見られるのかを調べるため、ラットのin vivo標本において、ホールセルパッチクランプ法による記録を試み、電流通電に対する電位応答を調べた。その結果、in vitro標本において得られたものと同じ膜特性がin vivo標本でも観察された。また、単相性のAHPを示すニューロンのほとんどがスパイクの発生が時間的に遅れる発火パターンを示し、二相性のAHPとスパイク後脱分極を示すニューロンのほとんどが電流通電に対し連続発火を示した。これらの特徴はin vitro標本で得られた特徴と一致するものであった。以上の結果から、in vitro標本で特徴付けられた膜特性やそれに基づくニューロンの分類は、in vivo標本においても用いることができることが明らかになった。このことにより3つの膜特性を用いることにより、in vivo、in vitro両方で前庭神経核ニューロンを同定できることが示された。
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