2007 Fiscal Year Annual Research Report
心筋CFTRクロライド電流のキナーゼ調節とpH感受性新規クロライドチャネルの解析
Project/Area Number |
17500276
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
頴原 嗣尚 Saga University, 医学部, 教授 (50037446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 信太郎 佐賀大学, 医学部, 助教 (40336110)
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Keywords | 心筋細胞 / クロライド電流 / PKC / PKA / CFTR / P_<2Y>受容体 |
Research Abstract |
多くの動物心筋ではβアドレナリン-cyclic AMP-PKA系によりCFTR Cl 電流が活性化されるが、この電流は細脚外ATP(P_<2Y>受容体を刺激する)によって増強する。いっぽうマウス心筋では、β受容体刺激は Cl 電流を活性化しないがP_<2Y>受容体刺激はPKCを介してCFTR Cl 電流を活性化ししかも活性化された電流はβ受容体刺激で増強する。本実験は心筋細胞の CFTR Cl チャネル活性化における PKA 系と PKC 系との間のクロストークに関与する細胞内シグナル伝達機構を明らかする。PKC の basal activity(agonist 刺激のない状態での PKC レベル)がCFTR Cl チャネルを制御している可能性をPKC inhibitor を用いて検討した結果、CFTR Cl チャネル活性化にPKCの basal activity は必須ではないことが判明した。次に判明したことは PKCのCFTR Cl 電流増強効果はPKC不活性化後も遷延する、そしてPKC活性化の前処置によってもCFTR Cl 電流増強効果が潜在的に発生することであった。これは何を意味するのであろうか。PKC活性化によって誘導された他の細胞内second messengerが長く残存する、あるいはチャネルもしくはその関連要素に構造的変化(β受容体刺激によるCFTR Cl 電流活性化がなければその働きが顕在化しない)が起こっている可能性がある。このようにPKA系とPKC系との間のクロストークの様相が明らかになりつつある。今後さらに研究を進め、クロストークの分子機構の実態を明らかにしていきたい。
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Research Products
(2 results)