2005 Fiscal Year Annual Research Report
アクチンリモデリングによる平滑筋力学特性変調のメカニズム
Project/Area Number |
17500277
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 賢 東京医科大学, 医学部, 講師 (60191798)
|
Keywords | アクチン / 平滑筋 / 筋フィラメント / リモデリング / ブレビスタチン |
Research Abstract |
本研究は、細胞内アクチン線維(F-アクチン)構造のダイナミックな変化(F-アクチンリモデリング)による平滑筋力学特性変調のメカニズム解明を目指して、I.F-アクチンリモデリングを自在に制御できる筋肉生理学実験モデルを確立すること、II.更に、実験モデルを用いて力学・化学・応答を測定し、a.リモデリングはミオシン・アクチン相互作用と独立に平滑筋力学応答を変調するか、b.アクチン結合制御タンパク質はリモデリングによる力学応答変調に関与するか、の2点を明らかにすること、を具体的な研究目的とした。 本年度は、まずゲルゾリン処理によるF-アクチンリモデリングを自在に制御できる実験モデルを、細胞膜を化学的に破壊した平滑筋標本を用いて作成することを試みた。ゲルゾリン処理にはCa^<2+>が必要であり、Ca^<2+>によって活性化されるミオシンATPaseを抑制して筋収縮を起こさないようにゲルゾリン処理を行う必要がある。そこで、群馬大学大学院・医学研究科・臓器病態薬理学講座・小濱一弘教授の協力を得、ミオシンATPase阻害薬ブレビスタチンが平滑筋ミオシン活性を抑制できるか、力学測定及びタンパク質生化学分析を用いて解析し、ブレビスタチンが上記の目的に最適であることを明らかにした。 次に平滑筋標本のミオシン・アクチンの結合解離の状態を定量的に検討するために、現有の力学応答測定装置にピエゾ・コントローラ・2位相ロックインアンプを組み合わせ、スキンド標本長変化に伴う張力・位相変化計測の準備を行い、最適条件を決定した。 更に、財団法人・高輝度光科学研究所(Spring-8)のシンクロトロン放射光を用いた筋標本X線回折実験のための実験装置作成を行った。SPring-8での実験申請が採択され、平成18年5月及び7月に実際の実験を行うことが決定しており、現在最終的な準備を行っている。
|