2005 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸リズム生成の場であるベッツィンガー領域の統一的理解
| Project/Area Number |
17500282
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
| Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
|---|
Principal Investigator |
江連 和久 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 参事研究員 (20132904)
|
|---|
| Keywords | 橋 / 呼吸リズム / 結合腕傍核 / 呼吸性ニューロン / オフスイッチ機構 / 肺伸展受容器 / ラット / 舌下神経核 |
|---|
| Research Abstract |
呼吸リズムは呼吸中枢内のニューロン回路によって生成、維持、調節される。今回解析したのは、吸息から呼息に切り替える機構(吸息のオフスイッチ)に橋が果たす作用についてである。オフスイッチ機構の本体は延髄の呼吸中枢に内在するが、補助機構として1)肺伸展受容器からの延髄への入力と2)橋からの延髄への入力がある。ラットを用いたin vivo実験で、橋を延髄から手術的に切り離した標本と切り離さない通常標本とで解析した。
1)孤束核の肺伸展受容器中継ニューロンは単純な中継ニューロンではなく、脳幹から吸息相における抑制性入力(I抑制)と吸息から呼息への切り替わり時におけるIE促通と呼ばれる入力を受け、オフスイッチ時に発火を集中させる機構を備えている。今回、橋と延髄を切り離した標本で調べたところ、I抑制は存続しIE促通は消失した。つまりI抑制の起源は延髄で、IE促通の起源は橋にあることが示唆された。
2)橋の呼吸性ニューロン群は結合腕傍核とKolliker-Fuse(KF)核を中心に分布する。しかし、その分布、発火パターン、軸索投射に関する報告は不十分であるため、今回これらの詳細について調べた。特徴的な発火のパターンを示す様々なニューロンが存在したが、最も多く記録できたのは吸息性ニューロンと呼息-吸息ニューロンで、KF核を中心に分布していた。オフスイッチに関与する可能性のあるニューロンを含め多くのニューロンが延髄に投射することが判明した。特に孤束核への投射は肺伸展受容器中継ニューロンへの影響を示唆するものである。
3)それら投射の中で、詳細が明らかになったのが、舌下神経核への投射である。橋の呼息-吸息ニューロンが舌下神経運動ニューロンを制御していることが判明した。
|
Research Products
(4 results)
