2006 Fiscal Year Annual Research Report
Mouse parvovirus抗体検査法の開発とその応用
Project/Area Number |
17500283
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
國田 智 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (10195472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八神 健一 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (40166476)
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Keywords | マウス / パルボウイルス / 感染症 / 組換え抗原 / ELISA / 抗体検査 / マイクロビーズ法 |
Research Abstract |
マウスパルボウイルス(MPV/UT株)とマウス微小ウイルス(MMV)の主要キャプシド蛋白VP2および主要非構造蛋白NS1を大腸菌で発現させ、これらの組換えタンパクを抗原として用いたELISA法を平成17年度に開発した。平成18年度は、この組換え抗原ELISAの評価およびMPV感染マウスにおけるウイルス動態の解析を行った。MPV実験感染後の抗体産生を6週齢と12週齢のICRマウスを用いて測定したところ、12週齢のマウスでは感染4週間後にMPV抗体が全12個体で陽性となったが、6週齢のマウスでは12個体中1例だけが陽転した。さらに、脾臓、小腸、腸間膜リンパ節からPCR法でMPVの検出を試みたところ、抗体測定の結果と一致して6週齢マウスでは12週齢マウスに比べてウイルスDNAの陽性率が低かった。したがって、若齢マウスは高週齢個体に比べてMPV感受性が低いという傾向が示された。また、実験感染28週後の解析では、MPV抗体は持続して検出可能であったが、糞便中のMPVを検出するPCR法では感染12週以降には全例で陰性となった。ただし、腸間膜リンパ節からのPCR法によるMPV検出は感染28週後でも可能であった。以上の結果より、MPV感染マウスではリンパ節で持続感染が成立するが腸管からウイルスは消失するため、診断法としてはリンパ節からのPCR法と共に抗体検査が有効であることが示唆された。 次に、最近開発された蛍光マイクロビーズ法をMPV抗体検査に応用し、その感度と特異性をELISA法と比較検討した。その結果、MPV-VP2、MMV-VP2およびMMV-NS1抗原を用いた蛍光マイクロビーズ法はELISA法以上の感度を示し、さらに各ウイルスに対する抗体を特異的に識別しつつ、数μlの微量血清さえあれば複数検査項目を同時に測定可能な検査法として、マウスの検疫や微生物モニタリングに有用な手法であることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)