2006 Fiscal Year Annual Research Report
mRNA不安定化因子を利用したhypomorph型モデルマウスの作出
Project/Area Number |
17500286
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森 政之 信州大学, 医学研究科, 助教授 (60273190)
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Keywords | mRNA不安定化因子 / hypomorph / モデルマウス |
Research Abstract |
様々な実験用ラット系統を調査した結果、ラノステロール合成酵素遺伝子(Lss遺伝子)上のhypomorph型対立遺伝子であるLss^Sは他のラット系統にも広く保有されることが明らかとした。また、Lss遺伝子の上流域の調節領域(プロモーター領域)にはラット系統間での機能的多型が存在することを明らかとした。BN系ラットはACIおよびSCR系ラットと比較してコレステロール合成が必要な状況でLss遺伝子をより多く転写する能力を有していた。SCR系ラットはコレステロール合成を停止するべき状況でのLss遺伝子の転写を抑制する能力が劣っていた。これらのデータは実験用ラットにはコレステロール恒常性に関する遺伝的多型があることを意味するだけでなく、異なるLss対立遺伝子を有するラット系統がコレステロール代謝に干渉する処置に対して異なる反応を呈する可能性を示唆した。 hypomorph型対立遺伝子であるLss^Sの第4エクソンに生じる異常スプライシングは、第4エクソンの3'端から17番目のG塩基からA塩基への置換が原因となっていた。塩基置換が異常スプライシングを惹起する機構の可能性として、exonic splicing enhance(ESE)配列の変化を考え、実験的に検証した。コンピュータープログラムESEfinderにより解析の結果、Lss^SではA塩基への置換により、比較的スコアの高い(score=4.15)SRp40配列があらたに形成されていることが確認された。「本来結合するべきではないスプライス因子がmRNA前駆体に結合すると、何らかの理由によりmRNA前駆体が不安定化する」との機構が推測された。
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Research Products
(5 results)