2005 Fiscal Year Annual Research Report
マーモセット精巣の免疫不全マウスへの移殖による精子形成in vivo実験系の開発
Project/Area Number |
17500293
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
野澤 資亜利 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (40167573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 陽子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究員 (50398963)
石井 一 聖マリアンナ医科大学, 実験動物中央研究所, 研究員 (20311235)
筒本 まりこ (川幡 まりこ) 聖マリアンナ医科大学, 実験動物中央研究所, 研究員 (60311239)
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Keywords | 移植・再生医療 / 精巣 / 精子形成 / マーモセット / 免疫不全マウス |
Research Abstract |
本研究の目的は、コモンマーモセット(Callithrix jacchus)の未成熟な精巣組織を免疫不全マウスに移植することにより、ヒトの精子形成のモデルとなる実験系を作製することである。最初にレシピエントとして使用するNOGマウス(NOD/SCID/γ_c^<null>)への精巣組織の可移植性を検討するために、C57BL/6Jマウス(5-7日齢)をドナーとした未成熟精巣の同種間移植を行い、2ヵ月後にドナーの精巣移植片を回収した。その結果、C57BL/6Jマウスの未成熟な精巣がNOGマウスの皮下に100%生着したまま維持され、精巣組織の成熟と精子形成が観察された。次に、生後29-30週のマーモセット3頭より摘出した精巣の小片を、精巣を摘除した4匹のNOGマウスの背部皮下に各8箇所ずつ移植した。移植を受けたNOGマウスは、アイソレータ内で最長7.5ヶ月まで飼育した。移植片の生着率は75%(24/32)であった。ドナーのマーモセットは幼仔期の個体で、移植した精巣片に含まれる精細胞の発達段階は大部分がA型精原細胞であったが、移植後6-7.5ヵ月で回収した移植片においては、精細管内に精母細胞(パキテン期、ザイゴテン期)の存在を確認した。他の研究者(Schlatt et al.,2002)によるヌードマウスへのマーモセット新生仔の精巣移植では、生着率が低く(34%),移植100日後の精細胞の発生段階は精原細胞までなので、レシピエントマウスとしてNOGマウスを使用したことで、移植片の精子形成がさらに進んだ可能性がある。しかし、マーモセットの日齢も、移植片がレシピエント皮下で維持されていた期間も異なるため、単純には比較できない。今後は、新生仔期から幼児期の間の幾つかの段階のマーモセット精巣についても移植を試みたい。
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