2006 Fiscal Year Annual Research Report
マーモセット精巣の免疫不全マウスへの移殖による精子形成in vivo実験系の開発
Project/Area Number |
17500293
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
野澤 資亜利 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (40167573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 陽子 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50398963)
石井 一 実験動物中央研究所, 研究員 (20311235)
筒本 まりこ (川幡 まりこ) 実験動物中央研究所, 研究員 (60311239)
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Keywords | 移植・再生医療 / 精巣 / 精子形成 / マーモセット / 免疫不全マウス |
Research Abstract |
異種動物の未成熟精巣組織を免疫不全マウスの背部皮下に移植することにより、移植片における精細胞の成熟と精子形成を可能にする実験系がある。これまでにマウス、ハムスター、ヤギ、ブタ、アカゲザルなどの新生仔をドナーとして完全な精子形成に成功しているが、コモンマーモセット(Callithrix jacchus)の精巣では精原細胞までで発生が停止することが知られている。 昨年度は、生後29-30週(幼仔期)のマーモセットより摘出した精巣のNOGマウス(遺伝子改変免疫不全系統NOD/SCID/γ_<c^null>)背部皮下への移植を試み、移植後3-7.5か月でパキテン期までの精母細胞を認める精細管を確認した。 今年度は新たに生後10週未満(新生児期)のマーモセットを入手したので、同様にNOGマウスに移植し、7か月後における精巣組織の成熟と精子形成の状態を光学顕微鏡で観察した。移植時の新生仔マーモセットの精細管は未成熟な精原細胞で満たされていたが、移植7ヶ月後に観察すると、精細管径の拡大と精原細胞の成熟(A型およびB型精原細胞)がみられ、一部の精細管に精母細胞の出現を認めた。ごく一部に精細管欠如(Sertoli cell only)の精細管が観察される以外に精子形成の遅延や変性退行の様相を呈する精細管は殆どなかった。 移植時の週齢(10週)に移植期間(7か月)を加えた期間は、in vivoでは生後40週に相当する。この週齢におけるマーモセットの精巣は初期の精母細胞が出現し始める時期にあたり、今回の結果は移植下でも同様の精子形成段階を再現していることが示唆された。今後は電子顕微鏡による観察および免疫組織化学的検討により移植条件下での精細胞および支持細胞(Sertoli cell、Leydig cell)の成熟度について検証したい。
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Research Products
(1 results)