2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体心筋拍動のスターリング則を実現する組織工学的3次元心筋構築に関する革新的研究
Project/Area Number |
17500300
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
馮 忠剛 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10332545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝夫 山形大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00142654)
梅津 光生 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90132927)
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Keywords | 細胞組織工学 / 心筋細胞3次元培養 / 細胞粘着分子 / 伝写因子 / インターアクション / 遺伝子転移 / 電気ー応力刺激 |
Research Abstract |
終年度としてこれまでの成果や技術を統合・改善し、本研究の目標、すなわち構築された心筋再生組織が生体内の心筋組織が持つ拍動特性を実現させた。更に初代培養心筋細胞への遺伝子導入率の低下問題を解決するため、遺伝子組み換え動物を利用して、心筋細胞における標的遺伝子(N-cadherin)の強化発現研究も踏み出した。以上の研究過程を経て今年度の研究成果は以下のように要約される。 (1)心筋細胞膜上にある細胞間相互作用を負う機能分子の発現について、構築した心筋再生組織の介在盤におけるN-cadherin, Connexin43の発現の不足をタンパク質レベルで示した。更に、伝写因子発現の調整に極めて重要な役割を果すマイクロRNAの一つ(miRNA1-1)の培養心筋細胞における発現も調べた。その結果は培養心筋細胞におけるその発現も低下している。 (2)心筋再生組織の構築方法について、再検討を行った。特に、心筋再生組織の構築過程でコラーゲンナセの心筋細胞への損傷を緩和するため培養液中にシステインを添加し;心筋細胞がゲル溶液中の沈殿を防ぐためゲル反転操作を行った。 (3)新型電気-応力バイオリアクターを開発した。このバイオリアクターは先ず従来の応力印加方式を改良し、より生体内の心臓拍動と近い応力刺激方式を心筋再生組織に与え、更に電極・電極配置を改良した。これによって、心筋再生組織は拍動変位が増大し、拍動頻度も安定した。 (4)以上の方法によって、構築した3次元心筋再生組織の拍動力は以前の方法より約16倍を向上させた。構築した心筋再生組織の拍動は最大収縮ひずみ速度と最大収縮力が対応する生体内の心筋組織拍動特性と似た特性を有している。
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Research Products
(5 results)