2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500301
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
筒井 達夫 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (50112868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山海 嘉之 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (30183833)
重田 治 帝京大学, 医学部, 教授 (10196371)
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Keywords | 連続流人工心臓 / 循環調節 / 磁力浮上型 / 動圧浮上型 |
Research Abstract |
本研究の目的として、1.連続流人工心臓基本デザインの改良、2.連続流人工心臓装着時の生体循環制御の検討、を策定した。 平成18年度は 1)連続流血液ポンプ装着時の循環系賦活物質に関する検討、2)血液ポンプ・デザインの溶血・血栓形成・エネルギー消費の観点よりの検討、を行った。 <循環調節>:ヒツジを用いた動物実験において、連続流人工心臓装着後動脈圧パワースペクトル計測と同時測定された血中カテコラミン(エピネフリン・ノルエピネフリン)濃度は、装着手術直後に一過性の増加を認めたが、時間経過と共に次第に安定化した。臨床例においては、機械的循環補助適用重症例の低周波数動脈圧パワースペクトル値の抑制がしばしば認められ、その遷延は予後不良に関連する。動物実験においては、血中カテコラミンの一過性の増加を認めたのみで、低周波動脈圧パワースペクトルの抑制は認められなかった。このことから連続流ポンプ装着時の循環調節は正常と考えられ、連続流適用に対する動物の適応反応は生理的範囲内にあると考えられる。本研究方法により補助循環適用における循環制御系の活動度は良く評価され得ると考えられ、臨床研究・実験研究ともにさらに検討を重ねる計画である。 <人工心臓ポンプ・デザイン>:これまでの系統的実験において、モノピボットの形状、インペラ背面血流速度を増加させるためのウオシュアウト・ホールの位置・形状の検討を重ねてきた。本年度の流れの可視化法、およびピボット近傍流れの数値シュミレーションの精細化・溶血特性の検討を踏まえて、ウオシュアウト・ホールの位置・形状とインペラとポンプ底面との最適ギャップ・ピボット形状を確定した。動物実験においては、慢性動物実験では、本ポンプ・ピボット近傍の血栓形成は皆無であった。一方、従来のインペラの最適位置保持には磁力が用いられるが、エネルギー消費等の観点からは、流体によりインペラ保持をはかる動圧浮上型ポンプが検討に値する。この型のポンプに付き、血栓形成性・溶血性・エネルギー消費等の検討を行い、費用対効果のよりすぐれたポンプとして開発研究を継続し得る結果を得た。 以上の研究成果は別掲のように報告した。当該年度の所期の成果をあげ得たと考えられ、今後の研究を継続して行う予定である。
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Research Products
(3 results)