2005 Fiscal Year Annual Research Report
薬物放出制御機能を持つ生分解性ナノ粒子の設計に関する基礎研究
Project/Area Number |
17500308
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡元 孝二 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40122618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐原 梢 九州共立大学, 環境工学部, 教授 (90080564)
前田 衣織 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (50311858)
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Keywords | 薬物放出制御 / ナノ粒子 / 時間依存型 / リン酸化反応型 / 酸化還元型 |
Research Abstract |
本年度(平成17年度)に作製する、時間依存性放出制御型、リン酸化反応性放出制御型及び酸化還元反応性放出制御型ポリペプチド担体の基盤である分子集合能を有するペンタペプチドGly-Val-Gly-Val-Pro(以下GVGVP)配列の5回繰り返し構造を基本としたポリペプチドを合成して、分子集合能を検討したところ、分子集合能が弱かった。そこで(GVGVP)n n=1〜10を合成したところ、n≧10で分子集合能が強くなることが示唆された。ついでn=ca.40を合成して分子集合能を検討したところ、30℃付近で分子集合を開始し、強い分子集合能をもつことがわかった。さらにGVGVP配列に加えてポリペプチド担体に導入するGly-Lys-Gly-Val-Pro(以下GKGVG)配列を合成した。合成の際はLys残基の側鎖アミノ基はベンジルオキシカルボニル(Z)基で保護して作製した。GVGVP配列とGK(Z)GVP配列をモル比で8対2の割合にもつポリペプチド[8(GVGVP)、2(GK(Z)GVP)]を合成したところ、20℃付近に分子集合能を開始し、(GVGVP)nよりも強い分子集合能をもつことがわかった。[8(GVGVP)、2(GK(Z)GVP)]のZ基を除去した[8(GVGVP)、2(GKGVP)]では生理的pH(約7)で分子集合せず、pH8で50℃付近で分子集合するpH依存性の分子集合特性をもつポリペプチドであることがわかった。Kの側鎖が正に荷電した状態の[8(GVGVP)、2(GKGVP)]をγ線照射すると、ナノ粒子の形成がうまくいかないことより、[8(GVGVP)、2(GKGVP)]のKのアミノ基をt-ブチルオキシカルボニル(Boc)基で保護することにした。Kの側鎖がBoc基で保護された[8(GVGVP)、2(GK(Boc)GVP)]は40℃付近で分子集合を開始し、(GVGVP)nよりも弱いが、[8(GVGVP)、2(GKGVP)]よりも強い分子集合能をもつことがわかった。(GVGVP)n、[8(GVGVP)、2(GK(Z)GVP)]、[8(GVGVP)、2(GK(Boc)GVP)]についてはγ線照射してナノ粒子を作製した。 次年度(平成18年度)ではGVGVP配列及びGKGVG配列に加えて各種放出制御型の各々のポリペプチド担体の作製に必要なペプチド配列の合成と導入及びナノ粒子の作製と薬剤の取り込み・徐放を解析する。
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Research Products
(3 results)