2006 Fiscal Year Annual Research Report
薬物放出制御機能を持つ生分解性ナノ粒子の設計に関する基礎研究
Project/Area Number |
17500308
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡元 孝二 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40122618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐原 梢 九州共立大学, 工学部, 教授 (90080564)
前田 衣織 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (50311858)
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Keywords | 薬物放出制御 / コアセルベート液滴 / γ線照射 / ナノ粒子 / 生分解性 / リン酸化反応型 / 酸化還元反応型 |
Research Abstract |
平成18年度では、(GVGVP)n(Vppと略)、[8(GVGVP)、2(GK(Z)GVP)](VK(Z)ppと略)、及び[8(GVGVP)、2(GK(Boc)GVP)](VK(Boc)ppと略)の3種ポリペプチドを水溶液中で55〜60℃に加熱してコアセルベード液滴を作製し、ついでγ線照射してナノ粒子を作製した。作製したナノ粒子の酵素に対する安定性を検討したところ、いずれもγ線照射前に比べてγ線照射後では酵素による分解が抑えられ、安定性が増大することが示された。照射量と薬物徐放性との関連を検討するために、Vppを12.1kGy/hで1時間及び3時間照射したナノ粒子に色素を取り込ませたところ、色素の担持率はそれぞれ41%及び51%であり、色素徐放のプロフィルにも違いが認められなかった。ついで担体の違いと薬物徐放性を検討するために、12.1kGy/hで1時間照射したVpp由来ナノ粒子及びVK(Boc)pp由来ナノ粒子に抗癌剤アドリアマイシンを取り込ませたところ、薬剤の担持率はそれぞれ80%及び77%とあまり違いはみられなかったが、薬物徐放のプロフィルについては、Vpp由来のナノ粒子及びVK(Boc)pp由来のナノ粒子のそれぞれの薬物徐放能(担持量の半量が放出されるのに要する時間はそれぞれ13日及び19日)に違いが認められた。さらにタンパク質リン酸化酵素の基質であるRGYSLG配列を導入したリン酸化反応性放出制御型ポリペフ.チド担体[30(GVGVP)、(RGYSLG)]にタンパク質リン酸化酵素を作用させる前と後での分子集合を検討したところ、リン酸化によって分子集合の開始温度が約15℃上昇し、脱リン酸化によって分子集合の開始温度が約15℃低下することが示された。またKの側鎖に酸化還元基のN-メチルニコチンアミド(NMeN)を結合させたGK(NMeN)GVG配列を導入した酸化還元反応性放出制御型ポリペプチド担体[7(GVGVP)、3(GK(NMeN)GVG)]の酸化還元における分子集合を検討したところ、還元状態から酸化状態への変化で約17℃の上昇、酸化状態から還元状態への変化で約17℃の低下が示された。
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Research Products
(3 results)