2006 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質細胞活動の相関性を強調した光学的計測法の開発と視覚野機能研究への応用
Project/Area Number |
17500310
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
王 鋼 鹿児島大学, 工学部, 教授 (40274831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 航 鹿児島大学, 工学部, 助手 (80332336)
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Keywords | 内因性光学的計測 / 視覚皮質 / 方位選択性コラム / 信号抽出 |
Research Abstract |
内因性光学的信号に基づき、刺激選択性を表す解析方法がこれまでにない。ここで、方位に対する選択性も知ることのできる方位チューニング曲線を用いた解析法を提案する。本研究では成熟ネコ2匹、計4半球を用いて第一次視覚野から方位選択性コラムの光学的計測を行った。麻酔としてケタミンを用い、手術及び計測中はカニューレを通して亜酸化窒素と酸素にフローセンを混合させた気体を与えることにより維持された。タングステンハロゲンランプによる光にバンドパスフィルタ(605±10nm)をかけたものを光源として用いた。視覚刺激には、22.5 deg間隔に8つの方向を持ったハイコントラスト矩形波格子を用いた。ピクセル毎に、各方位刺激に対する反応と事前に得られた方位チューニング曲線モデルとの相関を表す刺激選択性相関マップを作成した。刺激選択性相関マップでは複数の暗いスポットやこれらのスポットが結合し楕円、線状の暗い領域が見られ、異なる刺激間でこのマップを比較すると直交する視覚刺激では反転したようになりほとんど重複は見られなかった。これは、方位選択性を示す細胞が、最適方位にもっとも強く反応し、最適方位と直交する方位にはほとんど反応をしないことを意味する。また、暗い領域はある点を中心とし回転するように活動している領域も観察された。この中心点はピンホイル中心と考えられる。従来用いてきた振幅マップに比べ、スポットやピンホイル中心の位置が同じであることは確認された。しかし振幅マップでは、ある領域を中心に反応している領域がシフトしているのは確認できるが、刺激選択性相関マップほど、ピンホイル中心がはっきりしていない。全領域において、刺激選択性相関マップの方が、暗い領域と明るい領域のコントラストがはっきりとし強く再現された。特にピンホイル中心でコントラストの差がはっきりとしていた。このような結果によって、提案した処理法の有用性が示唆された。
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Research Products
(2 results)