2005 Fiscal Year Annual Research Report
4次元的非定常解析による児童の安定的性格形成に関連した脳機能の定量化に関する研究
Project/Area Number |
17500313
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
水野 由子 (松本 由子) 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 助教授 (80331693)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 紘 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (20028393)
西村 治彦 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (40218201)
鵜飼 聡 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80324763)
|
Keywords | 生物・生体工学 / 臨床神経生理学 / 脳機能解析・評価 / 精神神経科学 |
Research Abstract |
本年度においては、幼児期から青年期における「性格安定度に関連した脳機能変化を定量的に解析すること」を目的として、次の開発・実験・解析を行った。 1.脳機能データの解析手法の開発 脳波および脳磁図データ解析として、従来用いられているフーリエ解析に加えて、ウェーブレット解析、独立成分分析、時系列フラクタル解析を用いて、時間的空間的変化を捉える非定常解析手法の開発を行った。開発した解析手法により、脳機能の時々刻々の変化および部位間関連性の抽出が可能となった。また、これらの解析結果をわかりやすく表示するための可視化手法を開発し、脳機能状態を多角的に捉えるためのシステム設計を行った。 2.データ測定と解析結果 (1)性格安定度に関連した脳機能変化 脳波または脳磁図の非定常解析を用いて、情緒刺激直後の脳機能変化を調べた。その結果、性格不安定群では性格安定群と比較し、不快な視聴覚刺激直後に側頭部での活動が有意に高くなることが示された。 (2)精神負荷に関連した視覚刺激時の脳機能情報処理過程に関する脳波解析 幼児期から青年期の被検者に対する情緒的刺激として、テレビゲームやコンピュータ画面などの視覚刺激によるものが挙げられる。そこで、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display: LCD)またはヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display: HMD)を介して2次元または3次元画像を用いた視覚刺激を行い、その間の脳波活動を調べた。その結果、精神負荷の低い群では、HMD作業時にはLCD作業時と比較して、脳波活動が高くなり、イメージ力の高い群では、低い群と比較して、情報量の多い3次元画像による視覚刺激時において、脳波活動が低くなった。 3.考察と課題 本年度の結果より、情緒刺激下での脳機能反応は、被検者の性格安定度、精神負荷の感じやすさ、イメージ力といった素質によって異なることが分かった。次年度では、これらの差異について詳細に解析、分類を行う予定である。
|
Research Products
(21 results)