2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写促進機能を持つ生体適合性遺伝子デリバリーシステム
Project/Area Number |
17500315
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
小山 義之 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (00162090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 直子 大妻女子大学, 家政学部, 助教授 (40184353)
山下 美沙 大妻女子大学, 家政学部, 助手
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Keywords | 遺伝子治療 / 転写 / 三元複合体 / 両イオン性高分子 |
Research Abstract |
昨年度の実験において、アミノ基とカルボキシル基の側鎖を種々の割合で持つ両性イオン型PEG誘導体、PEG-ACを合成する手法を確立した。また、スペルミンとピアルロン酸を水中でカップリングさせ、スペルミン側鎖を持つ両イオン型ビアルロン酸誘導体、Spn-HAを合成した。 始めにこれらの両イオン型ポリマーをプラスミドとポリカチオンとの複合体に加えたときの複合体の形態、ゼータ電位等の変化について詳細に検討を行った。 DNA/ポリカチオン複合体は水中で大きなプラスのゼータ電位を示したが、各種のPEG-ACを加えると、そのアミノ基:カルボキシル基の比に応じて表面電位は低下し、カルボキシル基過剰のPEG-ACを加えた場合にはほぼ中性のコンプレックスが得られた。また、動的光散乱で得られた平均サイズは、アミノ基:カルボキシル基=2:8のPEG-AC(PEG-AC-28)を加えて得られたものが最も小さくなった。 続いて蛍光偏向解消法による複合体の弛緩度の測定を行った。複合体中のDNAに結合した蛍光色素DAPIの異方性比を測定したところ、PEG-ACの添加によってDNA複合体は有意に弛緩すること、また、PEG-AC-28が最も高い弛緩能力を持つことが明らかになった。 大腸菌由来のRNAポリメラーゼを用いた無細胞系における転写反応により、各PEG-ACを加えたDNA複合体の被転写速度を評価した。いずれの場合もPEG-AC添加前のプラスミド/ポリカチオンニ元複合体に比べて高い被転写速度を示し、特にPEG-AC-28を加えたものでは他の数十倍の、著しく高い被転写効率が得られた。アミノ基:カルボキシル基の比が2:8の時にPEG-ACは特異的に高いDNA複合体弛緩能力を持ち、人工転写活性化補因子として働くことが確認された。
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Research Products
(2 results)