2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500317
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石山 雅邦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30246558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新岡 俊治 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20192122)
黒澤 博身 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50075511)
松村 剛毅 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20297469)
山本 昇 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50297470)
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Keywords | 再生医療 / Tissue Engineering / 再生血管 / 生体吸収性ポリマー / 骨髄細胞 / 再生弁 / 内皮細胞 / 増殖因子 |
Research Abstract |
組織工学(Tissue Engineering)は、工学(Engineering Science)と生物学(Biological Science)を伴に応用した学際的な新しい概念で、吸収速度の制御が可能な生体吸収性ポリマーを足場として培養細胞から目的組織を作成しようという新しい学際的研究分野である。歴史的には1980年代後半に臓器移植医療における臓器提供者不足が深刻化している米国で提唱された。その最大の利点としては播種、生着した細胞が細胞外間質を完成させた時点で足場としてのポリマーが完全に生分解され、移植後長期的な異物の残存を認めないという点にある。心臓血管外科、特に小児心臓血管外科領域における理想的な補填材料・人工血管は未だ発展途上にあり、移植後長期にわたる生体適合性、成長能を有し、移植後の再手術が不要である生きた補填物の開発が模索されている。我々はすでに1)雑種犬において、組織工学的手法を用いて自己の静脈壁細胞からなるTissue Engineered Vascular Autograftのin vivoでの作成に成功しており、2)2000年5.月以降東京女子医科大学倫理委員会の承認下に、骨髄幹細胞を主として使用する方法での再生血管による血行再建術を47例に行っている。 本研究の目的はこの成果をさらに発展させ、骨髄細胞を自己細胞として用いて補填材料・人工血管を作成し、既存の素材との比較検討よりこのグラフトを評価し、さらにヒトにおける至適ポリマー、至適培養法、至適細胞数を明らかにすることであった。骨髄細胞を用いたこの分野での研究は過去になく、また骨髄間質細胞の生分解性ポリマーへの接着、ポリマー上での分裂増殖能の研究は不可欠であった。これらに関する基礎研究の総括は、MatsumuraらがTissueEngineering誌(2006;12(11):3075-)に報告した。 我々は種々の細胞に分化可能な骨髄細胞を用いて、Tissue Engineered Vascular Autograftの作成が可能であると考えている。さらに、この技術の応用によって、臓器提供者不足が問題となっている凍結保存同種組織の代用素材(代用弁)の開発、虚血性心疾患に対するバイパス手術用の小口径人工血管の開発も期待されているため、今後さらに探究を続けていく。
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Research Products
(4 results)